表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/186

第37話 調理器具ゲットだぜ!


 大魔導士が作ったヤバそうな魔道具や第一王子が持っていた国宝の魔道具は見たことがあるが、こういった店で売られている魔道具はどれくらいの性能で、いくらくらいするのだろう?


「はい、こちらのつまみに魔力を込めると火魔法が発動します。つまみを回すことによって火力を調整することが可能となっており、魔力をためておけば魔法を使えない人でもこのコンロを使うことも可能です」


 なるほど、神雷の腕輪のように魔力をためておくことができるのか。


「魔力さえあれば火魔法が使えなくても使用することができます。そして魔力があれば燃料なども不要で便利ですよ。唯一の欠点が魔法を使える者が身近にいないと使えないという点ですね。お客様は魔法をお使いで?」


「あ、はい! 使えますよ」


「っ!! そうですか、若いのにそれは素晴らしいですね! いかがでしょう、お安くしておきますよ!」


 おっと、なぜか急にぐいぐい来たな。確かに自分でも料理はするからこの手の調理器具は少し欲しい。日本でカセットコンロなどを新しく買うのもいいが、この世界では目立ってしまう。それにこっちの世界のお金はたくさんあるけど日本のお金はあまりないからな。


「料理はするし、ちょっと欲しいですね。ちなみにいくらなんですか?」


「はい、大特価40万Gとなります!」


 40万Gってことは20万円か。……高いな。元の世界なら5千円くらいで買えるが、こちらの世界で魔道具はこんなにするのか。もしかしたら観光地価格なのかもしれないし、あえてここで買う必要もない。今度一番大きかったルクセリアの街で魔道具の店を見てみよう。


「そうですか、では他の調理器具をいくつかもらいますね。この包丁やまな板とお皿をお願いします」


「いえ、お兄さん、このコンロが一番のおすすめですからぜひこれを! そうですね、お兄さんはとても強そうで格好いいですから35万Gでいいですから!」


 一気に5万Gも下がった。やっぱりぼったくり価格だったっぽい。包丁とかまな板とかは普通の価格だしこっちは大丈夫そうだ。


「いえ、やっぱりやめておきます。こっちの方だけお願いします」


「30万G! 30万Gでいいですから!」


 また下がった。むしろこの店自体が怪しく感じる。うん、やっぱり他の皿や包丁とかも別の店で買おう。


「やっぱりこっちの方もやめておきますね。それでは失礼します」


「お願いします〜! もう仕入れ値の20万Gでいいですから買ってください〜!」


「……このコンロ、呪われでもしているんですか!?」


 なんでそこまでして売ろうとするんだ。ちょっと怖いよ。


「……いえ、正直に言いますと、商品自体は素晴らしい物なんですが、この商品を仕入れてから半年以上売れていないんですよ。


 魔法を専門に使う人達はプライドの高い人が多くて、自らこんな小さな店に来てくれません。来てくれる人達は小間使いの者や戦士職の人ばかりで魔法を使える人なんてほぼいないし、たまにお兄さんのように魔法が使える人が来ても料理をする人なんていないんですよ!」


 完全に仕入れミスってんじゃねえか! そりゃそうだよね。こういうのを欲しい人達は普通、大きな街で準備してくるものであえてこういう場所では買わないよね。


「お願いしますよ、仕入れ値が高いから処分もできないしずっと場所も取るし、助けると思って仕入れ値でいいですから買ってください!」


「……はあ、もしも街で売っているものよりも明らかに高かったら無理にでも返品しますからね。あとおまけで包丁とかお皿とかもいろいろ安くしてください」


 最初は仕入れ値の倍額でふっかけてきたんだし、こっちも遠慮せずにふっかけよう。今度街で値段を見てまだぼったくっているようだったら返品させてもらうとするか。どうせ返品に応じる気はないだろうからその時は無理にでもね。







 いろいろとあったが、こちらの世界の調理器具を一通り揃えることができたわけだ。よし、準備もできたことだし、先へ進むとするか。


 村を出て先へ進む。店の人から聞いた話では、山の途中までは道があるそうだが、その先は道がないようだ。ワイバーンにやられる人だけでなく、遭難して帰れなくなる者も毎年かなりの数になるらしい。


 俺の場合はいざとなったら転移魔法でどこからでも帰れるからまったく問題にならない。


 道中、4人〜8人ほどの冒険者パーティを何度か見かけたが、ひとりでこの山を登っているのは俺一人だけだった。通り過ぎる際には、ソロとか正気かこいつ?みたいな視線で何度も見られたが、今のところそれほど強そうなパーティには出会わなかったな。


 おそらくはみな、ドラゴンではなくワイバーン狙いなのかもしれない。




「くそおおおお!」


「やべえ、早く逃げろ!」


 前の方で何やら大声がした。危機察知スキルには今のところ反応はないが、とりあえず声の出る方向に急いで行ってみよう。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

執筆の励みとなりますのでブックマークの登録や広告下にある☆☆☆☆☆での評価をいただけますと幸いです。

誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◆他作品『異種族キャンプで全力スローライフを執行する……予定!』第1巻発売中!!◆
(クリックでAmazonへ ※作者の別作品)


キャンプ場
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ