表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

148/186

第148話 まずは防御から


「マサヨシ殿、お待ちしておりましたよ」


「ギルダートさん、ありがとうございます! すごい、昨日の今日でこんなに人を集めてくれたんですね」


「ええ。相手が大魔導士を継ぐ者ということで、Bランク以上の冒険者の他に、Cランクでも魔法に長けた者達も集めております。それと同時に大魔導士を継ぐ者の情報についても集めておりました」


「なるほど、ありがとうございます」


 ブラッドリーの街の冒険者ギルドに行くと、冒険者ギルドマスターであるギルダートさんが、すでに20人近くの冒険者達を集めてくれていた。


 そうか、確かに極大魔法を使えるということだけあって、相手は魔法に長けている可能性が高い。それなら魔法を使える人はいくらいてもいい。そしてギルダートさんが集めてくれた人の中には知っている顔もあった。


「ドレインさんまで!? お忙しいところありがとうございます!」


「あんたには借りがある。いくらでも協力するさ」


 Aランク冒険者でオーガ殺しの二つ名を持っているドレインさんだ。確か天災と戦った時に持っていた大剣は真っ二つに折れてしまったはずだが、また打ち直してもらったのか、前と同じ巨大な大剣を背負っていた。


「それではまずは街の外に移動しましょう。この冒険者ギルドでも訓練場はあるのですが、間違いなくマサヨシさんの訓練に耐えられないでしょうからね」


「わかりました」


 ブラッドリーの街から少し離れた場所へ馬車を使って移動する。そこは広い草原で森や街からも離れている。確かにここなら多少派手に暴れても、街や森にダメージは与えないだろう。


 馬車での移動中に集まってくれたみんなにはこちらの事情を説明した。王族に助けたい人がいるからこの国の代表となって、相手国の代表者と戦いたいと。そしてそのために付け焼き刃だが、対人戦の訓練がしたいということを伝えた。


 依頼の報酬も先に渡しておいた。こちらの世界のお金は何億もある。ギルダートさんに聞いた相場の倍の依頼料を払っておいた。


 リリスさん達やイアンさん達、ギルダートさんにドレインさんは依頼料はいらないと言ってくれたのだが、そこはしっかりと受け取ってもらった。


 リリスさん達に前に言われたことであるが、やはり正当な対価はきちんと受け取ってほしい。今回は本当に急なお願いにもかかわらず、集まってくれて本当に感謝しているからな。


「さあ、本気で行くからな」


「胸をお借りしますわ!」


 まずはとにかく防御だ。最初はリリスさん達のパーティにひたすら攻撃をしてもらい、それを防いでいく。問題ないようなら、更に攻撃する人を次々と増やしてもらう。


 対人戦での防御の感覚を掴みながら、この世界の人達の攻撃方法を見て学び、どのような攻撃手段や攻撃魔法があるのかを覚えていこう。


 時間はもうたった2日半くらいしかないが、俺はたとえ寝不足でも状態異常耐性でしばらくの間なら寝なくても大丈夫だ。もちろんみんなはそうはいかないから、順番に休息や食事をとってもらう予定だ。さあ、いくとしよう。


「お願いします!」






「……ふう」


「マサヨシ殿、そろそろ一度休憩にしませんか?」


「あ、そうしましょう。そういえばぶっ続けで1日近く動いていましたね」


 ギルダートさんに声をかけられてふと我に返った。今までぶっ続けで訓練をしていたが、もう訓練を始めてからかなりの時間が経っている。


 先程までは戦闘に集中しすぎていたせいか、まったく空腹感を感じていなかったが、一度戦闘モードから離れて冷静になると、ものすごくお腹が空いていることに気付いた。


「しかし、マサヨシさんは相変わらずすごいな。まさかこれだけの人数での同時攻撃してもまともに通らないとは」


 やはり大魔導士の障壁魔法は相当優秀で、リリスさん達やドレインさん達Aランク冒険者の攻撃も受けることができた。しかし障壁魔法も無敵というわけではなく、一度は防げても何度も大規模な攻撃を受けると割れてしまう。


「そうですね、基本的にパーティで動く時には防御を盾役に任せて魔法使いは攻撃に専念するのがセオリーです。しかし決闘は一対一となるので、相手とは常に障壁魔法を張りつつ、魔法で遠距離から攻撃という戦闘になりそうです」


 そうだな。ギルダートさんの言う通り、基本的には常に障壁魔法を複数枚張りつつ、相手の攻撃はかわしながら攻撃魔法を撃っていくのが良さそうだ。


 パーティ戦であればやはりリリスさん達のように2人が前衛を務め、魔法使いが後方から攻撃魔法と支援魔法を飛ばし、タンク役がメンバーを守るという基本的な戦略が一番効果的だと思った。


 絶え間ない前衛2人の攻撃の合間を縫って、後方からいきなり魔法での援護攻撃が来るのだ。隙を狙ってこちらから攻撃を仕掛けてもタンク役がそれを防いでくる。そりゃゲームとかでこれが基本陣形になるわけだよ。もちろんリリスさん達みたいに息の合ったパーティだからこそ、これほどうまく回るんだろうけどな。


「休憩が終わったら、今度はこちらからいろいろと試してみますね」


 魔法使いであるルルネさんや他の魔法使いの対人戦でどのような魔法を使うかがだいたい分かってきた。今度はこちらからいろいろな攻撃手段を試させてもらうとしよう。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

執筆の励みとなりますのでブックマークの登録や広告下にある☆☆☆☆☆での評価をいただけますと幸いです。

誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◆他作品『異種族キャンプで全力スローライフを執行する……予定!』第1巻発売中!!◆
(クリックでAmazonへ ※作者の別作品)


キャンプ場
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ