2 転生もふもふ
生まれ変わって、半年が経った。
普通の猫人族の赤ん坊は、生まれて1年ぐらいでやっと立つことが出来るようだ。
その辺りは普通の人間とあまり変わらない。
でも俺は、ちょっと普通じゃなかったようだ。
生後半年で、もう歩き出した。体の成長も早いみたいで、既に人間で言うところの2歳児ぐらいの大きさになった。
とても残念なことに、おっぱいも卒業させられた。
わずか半年だったが、キレイな猫耳のお姉さん(と言っても、自分の母親なのだが)のおっぱいを正々堂々としゃぶることが出来た幸せな時間だった!
まあ、まだ一緒にお風呂は入っているけどね。
「ねえアッシュ、ホープは大丈夫かしら?」
お風呂上がりにベロニカは、灰色の耳としっぽをもつ猫人族の男に話しかける。
この男が俺の父親だ。
「どうした、ベロニカ?」
「この子ったら、いつもお風呂でしっぽを触ってくるのよ!」
「そうか… ママのしっぽがお気に入りなんだな!」
アッシュは俺を抱っこして頬ずりしてくる。
ヒゲが痛い…
「でも、俺のしっぽには特に触ってこないから、やはり本能的に女のしっぽに興味があるのかもしれないな」
「こいつは、将来が楽しみだ! 『英雄』色を好むって言うしな!」
「キャッキャッ!(まさにそのとおり!)」って、成長は早いが、流石にまだ言葉は話せないので、満面の笑みで同意する。
「おおー! ホープ分かるか! さすが俺の息子」
いや、あなたのスゴい所はまだ見たことはないのだけれど…
しかし、母親のベロニカは容姿だけでなく、どうも猫人族の中でも優秀なようだ。
普段は薬の調合らしきことをしているのだ。
村の連中がときどき作った薬を貰いに来る。
「そういえばアッシュ、畑の方はどう? 今年は何とかなりそう?」
「いや、今年も駄目だな。年々、収穫が落ちてくるんだ。どうしたら良いものか」
「植えてるのはここの厳しい気候でも育つ丈夫なイモなんだけどなぁ…」
どうやら父親は畑を作っているようだ。つまり俺は農家の息子か…って、全然『英雄』のエの字もないじゃないか。
まあ、俺は別に『英雄』に成りたいなんて野望もない。
この猫耳の亜人族の家に生まれ変わったことが既に幸せなのだから!
早く大きくなって、村の女の子たちと仲良くなりたい。
すみません、今回も短いです。
すぐ次も投稿します。
次までで、普通の1話分ぐらいの長さになると思います。
ぜひ、評価お願いします。