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家族の団欒 1

「優くん、着いたよ。ここが私と優くんの愛の巣だよ。」


 そう言われて目に入ってきたのは豪邸だった。まごうことなき豪邸だった。


「うそ~。」


 確か母さんはIT企業の役員って言ってたよな。IT関係ってこんなに儲かるのか。


「母さんって凄いね。こんな豪邸建てられるほどお金持ちなんだね。」


「いや、さすがにここまでは無理だよ。」


「え?」


「そういえば優くん記憶喪失なんだったね。この家はね、優くんが豪邸に住みたいって言って国がタダで建ててくれたんだよ。」


「へ……」


 前の僕、まじでなにしてくれてんの。てか国も断れよ。


 門をくぐりやたら重厚感のある玄関へと歩いていく。


「改めて優くん、お帰りなさい。」


「うん……何ていうか、ただいま。」


 もうどうにでもなれ。


















「お昼何食べたい?」


 時計を見るととっくに十二時を過ぎていた。


「何か作ってくれるの?」


「優くんは手作りは嫌だからっていつも出前で済ましてたよ。」


 前の僕は馬鹿だな。こんな美人の手作り、もとい手汗の入っt…愛情の入ったご飯を食べないなんてな。


「できれば母さんの手作りがいいな。」


 そういうと母さんは明らかに動揺した。


「それは凄くうれしいんだけどね、えっとね、あの、そのー、そ、そうだ。きょ、今日は出前の気分だからね。出前にしようよ。ね、ね、ね、。」


 これはもしかしたらあれか。


「母さんって、料理できないの?」


「ち、違うのよ。なぜか包丁がどこか飛んでったり、炒めると黒焦げになったり、お米を研ぐと泡だったりするけど、違うのよ。やろうと思えば卵かけご飯ぐらい作れるんだから。」


 なるほど。僕の母さんは料理をさせてはいけない人種らしい。包丁が飛ぶってどこの戦場だよ。お米研ぐのに洗剤入れてるだろ!


「は~、じゃあ今日のお昼は僕が作るよ。材料は何があるの?」


 いくら料理をしなくても即席チャーハンを作るくらいの食材はあるだろう。


「優くんが作ってくれるの。やった!あ、で、でも悪いし疲れてるだろうから今日はいいよ。ね、ね。」


「簡単にチャーハンでもつくるからいいよ。」


「今日はダメ!明日とかならいいから。お願い、今日は出前にしようよ。」


 まさかな。ちらっと見た感じ大きな冷蔵庫はあった。さすがにすっからかんってことは…

 いや待てよ。ここまで料理が壊滅的な人が食材なんて買うか。冷静になれ僕。短い間だが母さんと接してきて分かったことがある。恐らくだが僕の母さんは所謂残念美人ってとこだろう。憎めない天然バカだ。


「てことは…。」


 僕は母の身を挺して静止を振り切って冷蔵庫のドアを開け放った。

 そこにあったのは一面に敷き詰められた缶ビールだった。よく見ると焼酎なんかもある。


「母さん、いったいこれはどういう。」


「違うんだよ。これは偶々なんだよ。」


「ふーん。母さんは偶々こんなにビールがるって言うんだ。」


「そ、そうなんだよ~。偶々、ね。」


「じゃあそこに置いてある空き缶の山はなに?」


「ち、違うの。偶々なの。」


「母さん。偶々はそんなに便利な言葉でも良く使われる言葉でもないよ。」


 なんと僕の母さんはアル中天然バカだったらしい。


「は~、今日は出前にするけど明日からは僕が作るからちゃんと食べてね。」


「はい。」


「あ、あとビールは一日二本までです。」


「しょんな~。せ、せめて一瓶だけ。」


「ダメです。分かりましたね母さん。」


 そう笑顔で言って母さんを黙らせた。




 

ヤンデレっていいですよね。

友達曰はく、監禁されて逃げ出してまたつかまって調教されるまでがセットらしいです。

いいですね~


作者の趣味で優くんが監禁されるかもですがその時はご理解を。

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