4th 男爵家嫡男は自由奔放に生きる。
激しく山火事のように一瞬で燃やし尽くす人生◁
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安定して炭火のように長く燃焼していく人生
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なんてね。
俺は幼い頃、家の近くにダンジョンを見つけた。
俺しか知らないそのダンジョンは誰にも秘密にした。
てな訳で攻略してやったぜ!
大したことはなかったな。多分出来てから一年も経ってないんだろうし。ダンジョンマスターは近隣で害獣指定されてる鼠みたいな魔物だったから何の罪悪感もなく倒せた。
でだ。
はい、今度は俺がダンジョンマスターになりました!
いや〜、ダンジョンマスターを倒したら大体の願いが叶うダンジョンコアを手に入れたんだけど、なんとな〜くダンジョンマスターになれるか試してみたらなれるみたいだったからなっちゃったよ。
ま、おもしろそうだし問題無しってことで。
あ、この時、俺、12歳ね。
ダンジョンマスターになって最初にしたことはやっぱ生活を豊かにすることかな?
俺の住んでる辺りって国の中でも結構な辺境でほぼほぼ荒野なんだよね。
主な産業は香辛料の栽培。育ち盛りな俺は肉が食いたいわけ。
ダンジョンマスターとして荒野の一角をダンジョン領域に指定したら召喚できるモンスターが出てきたんだよ。そしたら?なんと?
ゴブリン、スライム、火の子。
↑
人型、粘液、火だよ?
食えねーよ!!
しゃーなしにスライムを召喚して何かに使えないか考える事にしたわ。
はい、何も思いつきませんでした。
落ち込みました。
家に帰りました。
スライム?核を抜いてご臨終させたよ。
普段の荒野にはいないから誰かに見つかったらダンジョンのことがバレるかもしれないからね。
まん丸な球体の核を持ちながらトッコトッコと帰ったよ。
そして次の日、俺は閃いた!
外から肉を持って来ればよくね?
すぐに父さんにおねだりしたよ。
牛や豚は無理だったけど鶏を自分で世話をするからって言って4羽ゲットした。
鶏にさっさと増えてもらいたいから快適に過ごせるように鶏小屋をダンジョン領域に指定して気温一定化を設定した。
1年後、318羽になりました。
おおよそ80倍です。
鶏って本当に毎日卵産むんだねー。
ウチの家って3人家族だから(祖父母?さあ?両親がなんか駆け落ちがどうこう言ってたよ)ほぼ毎日卵食ってたんだけどね?なんか3羽が雌鶏だったみたいで卵が増えるのなんの。
1年間、小屋を増築したり餌代でこっち側貧窮したり色々あったけど、まあ、そんなもんだよ。
ところで、なんか鶏の中に、正確にはヒヨコの中に色違いのやつが混じってたんだよ。
最初に偏食の癖がある鶏が変な色(青色)の卵を産んだから不気味で放置してたんだけどそれが孵ったら青色のヒヨコが生まれたんだ。
そいつがね?いきなり水の玉を浮かべてゴクゴク飲んだんだよ。
Why?
ダッシュで魔物図鑑[鳥類編]を開いたね。
あ、ちなみにモンスターは元から魔石がある生物で魔物は動物が魔力を吸収して魔石を得た生物です。
調査結果は魔物でした。
水属性の魔力を吸収した鶏だって。
名前?水鶏。まんまだよねー。
多分てか確実にスライムの核を食べたんだろうなぁ。アレ、いつの間にかなくなってたし。
でよ。俺、思ったんだ。コイツの、水鶏の卵美味ェって。
火の子の核(魔石)も即食べさせたね。贅沢な鶏め!!
火鶏の卵は倍美味ェ。火の玉はウザいけど。
ゴブリンの魔石?
普通かな。強いて言うなら試作品試食と称して食べさせた近所のちびっ子の手先が器用になったぐらい。
器用度アップの卵だぜ!!
俺の大好物は火鶏の卵になった。
毎朝、火鶏卵のオムレツを食べて、週一で火鶏の唐揚げを食べている。
あ、太ってないからな?魔法って結構カロリー使うし。
俺が毎週、火鶏を食べるので火鶏は重点的に増やしていった。
そんなこんなで15歳になるとまあデカくなった。毎日、魔物の卵を食ってたせいかな?俺と同世代の奴らは皆デカく成長した。
下の世代もデカくなりそうだ。
あと、親世代はなんか若返ってる気がする。
父さんは老けないし、母さんは皺がなくなってるし。村の老人たちも曲がってた腰が伸びて、白髪も少し赤みが帯びていた。火鶏の影響か?
皆、髪に赤みが帯びたりメッシュが入ったり?
超ダッシュで放置してたダンジョンコアに問い詰めました。
村の住人は8割が魔人に進化してました。魔物の人版。
残りの2割は赤ん坊と移住者ね。
魔人種[火人]は火属性に特化した魔人で熱さに強く、火魔法が習得しやすい。村の住民は皆、この火人に進化してた。
正直、魔人に進化する事には損はない。寿命は伸びるし、魔法は使いやすいし、身体は頑丈になるし。国でも進化することは良いことだとされてる。
俺?
俺はほら、もうダンジョンマスターだから。
普段は隠蔽されてるけどダンジョンマスターは皆使徒って種族に自動的になるらしいよ。俺もマスターになった時、コアに事後承諾で知らされたから。で、自分のダンジョンの特徴や自分のスキル、称号によって使徒の種族外見は変化する。
俺は焔人系使徒って種族になってました。
焔人は火人の上位種的なやつだ。
16歳ごろだったかなぁ?
村全体をダンジョン領域にしてやったぜ!
そしたら神様からお知らせみたいなのが来て、命名されたよ。【陽気と火魔の荒野】だって。
村より荒野の方が領域面積が広いからか?
火属性強化が付いたから召喚できるモンスターも火属性だけだけど増えてた。
そいつらを少しずつ怪しまれないように召喚していってダンジョンを結構なボリュームにした。
そして17歳。
奴と出会った。
ダンジョン探索者ギルドAランクの女だ。聖女呼ばれていていくつものダンジョンを攻略し、ダンジョンの秘宝[宝具]を大量に持つダンジョンマスターの天敵みたいな女だ。
聖女は最初はダンジョン目当てで来たのではなくてすっかり名物となった火鶏料理を目的としていたようだ。だが、この村の異常さ(気温が一定、魔物が大量、魔人も大量)に気付いてダンジョンを確信したらしい。
結構な隠蔽をしてたんだけどなー?
勘が鋭いのか?
で、
バレました。
俺がダンジョンマスターだって。
なんて言ったと思う?
宝具を渡せば黙っててやるってさ。
超恐喝(笑)
俺?
だ が 断 る(笑)
バトりました。
死ぬかと思ったね!聖女が。
ボロ負けした聖女(笑)はなんかお付きの人に猫みたいに掴まれて帰りました。
何しに来たんだろうか?
あ、ネタバレしていい?
ダメって言われてもするけど。
この聖女、嫁になりました。
聖女さんは他国の貴族だったみたいで俺も実は貴族な訳だ。村は領地ね。
秋頃に両親に呼び出されてお見合いさせられて婚約した。
聖女は自分より強い奴となら結婚するとか言ってたみたいで、同い年で婚約者のいない男爵家次期当主の俺に負けたところをお付きの人、つまり家臣にバッチリ見られたんで結婚相手決定だったらしい。
俺は…顔が好みだったしいいかなぁって軽く返事したらお互い18歳になったら結婚だってさ。
聖女が嫁入りしてくる事になり判明したことがあった。あの聖女、魔人だった。お付きの人も。
聖女は紅人でお付きの人は氷人だって。
氷人は焔人の氷バージョン。
聖女の紅人は美女限定でなれる魔人種で結構珍しい。なんで紅って付くのかは、ダンジョンコアによると古代において繁栄した大国で同時期に美女が未発見の魔人種に進化して困った神様が当時の大国の略称から取ったらしい。
紅国か…。確か4000年くらい前の古代帝国にそれっぽいのがあった気がするな。
そんでもって何事もなく結婚しました。
いや、何事もあったか。隣の伯爵家嫡男が求婚に来たり、お忍びの王子殿下に見初められたり、よく分からん聖女の従弟が結婚式に乱入したり。
まあ、なんとかなったからいっか。
はい。19歳です!
子供が生まれました。長男です!我が子は可愛いね!!
最初っから魔人種火人だったよ!
あ、父さん?孫を可愛がりたいからって隠居しちゃダメだよ。
俺だって息子を堪能したいんだから。あ、母さん?俺にも息子を…あの嫁さん、その書類の山は?あ、俺のサイン待ちで今日まで?…はい、やります。
え、19歳の出来事?知ってるか?書類って10枚にサインしたら20枚の書類が追加されるんだぜ?
20枚サインいたら50枚増えたよ?等価交換を超えた何かが毎日見れたよ。
20歳!!愛娘誕生!!やっぱり火人だった。
この子は嫁に出さん!!
そうだ。ダンジョンコアに手紙みたいなマークが出てたな。
ダンジョンコアに聞いてみるとダンジョンマスター集会だってよ。
通常のダンジョンマスター(神様が選定した奴ら)は1年目から呼ばれるんだけど、ダンジョンコアを偶然取得してなったダンジョンマスターは一定レベルに達しないと呼ばれないらしい。
特に行かない理由もなかったから行った。集会場は多分城。どこかは知らん。いきなり門が現れて潜ったら目の前に料理が並ぶ大広間だったんだから。
めっちゃ注目されたよ。季節外れの新人=ダンジョンマスター殺しみたいなもんだから当然かな。
ところで視界の端にメジャー主教の教主とか伝説のダンジョン探索者とか有名料理店の料理長とか見えたのは気のせいのはず!!
現実逃避してたら何時の間にかバトることになってました。前にも似たようなことがあったような?
いや、別に無視してたわけじゃなくってなんて言うか…その…口臭がね?
うざかったので叩き潰しました。文句あんのかな?かな?
歯磨いてから出直せ。
こっちは書類地獄が待ってるんだ。
今度こそ何事もなく25歳!!あ、22歳の時に双子の姉弟が生まれました。次女と次男です。
書類とは!無くならない!だがしかし!一気に全部やろうとすると中央の役人からもっとゆっくりやれと言われ下の者からもう少し休めと言われる!!
分かったかな、聖女ちゃん?
あ、もうちゃん付けで呼ばれるような歳じゃない?はっはっは!何言ってるんだか。
魔人の寿命は100歳どころかもっと伸びるんだぞ?25歳なんて人間に換算したら生後5年にも満たないぞ。
それに聖女ちゃん。残念ながらもう死ねません。正確に言うと俺が死ぬまで死ねません。理由?俺がダンジョンマスターだから。ダンジョンマスターと結婚した代償と思ってくださいな。
んー、あとはあんまり特筆することもないし、もういいか?
俺のお話はここまでとしよう。
以上が【陽気と火魔の荒野】の興隆期です。
BYE
続き?
まだ未定です!