03話 これから成長方針
これから、と言ってもまだ俺は芽のままだし、周りは焼け野原だし、文字通り手も足もでないしなー。
あーあ、早く大人(樹木)になりたいなー。
≪周囲に魔力が豊富なため、多量に取り込むことにより、急激に成長することが可能です。≫
え、本当に。マジで、reality。
≪? 最後の言葉の意味がよくわかりませんでしたが、本当です。≫
じゃあ、早速やってみようかな。
・・・いや、待てよ。こんな焼け野原なのに、生物が生きていけない程の魔力だまりがあるのに、1本だけある樹木。
…どう考えても不自然だし、珍しがられて伐採とかされそうだ。
俺、攻撃手段ないし、植物だから逃げられないし。人とは、関わっていきたいけど、それで殺されたらいやだし。
限界まで成長したら、もう働く着ないし。
よし、成長はやめとこう。やるとしても周囲から見えないようにしよう。主軸の茎をひたすら太くとか!
…やめとこ、想像してみたらすごくカッコ悪い。
≪根を成長させ広げていくのはどうでしょう。≫
根かー、根ねー。でも、地面のなかに魔力ってあるの?
地上には芽しかないけど大丈夫?
芽からしか魔力が取り込めなくて、根を成長させ過ぎて、全身に魔力が送れなくて、酸欠みたいになったら嫌なんだけど。
≪その心配入りません。地上よりは少々薄いですが、地中にも魔力が存在します。≫
なら、何も問題ないな。
では早速、魔力を取り込んで…
…あの、『補助人格』さん魔力の取り込み方を教えて貰ってもいいでしょうか。
≪深く考える必要はありません。頭のなかで魔力を取り込む部位を思い浮かべて、その部位で深呼吸をするみたいにすれば魔力を取り込むことができます。≫
ほうほう、深呼吸かー、簡単そうだなー。
って、今の俺には口なんてないし。
深呼吸なんてできないし。
≪いいえ、可能です。無意識かもしれませんが、貴方はずっと芽の部分で呼吸しています。≫
え、そうなの?言われてみればそんな気がする。とりあえず、体全身で深呼吸してみよう。
す~、はー。す~、はー。
おー、できた!魔力を取り込めた。
なるほど、なるほど。これが魔力を溜め込むてっ感覚か。
で、多分頭の中で根っこの先を思い浮かべて、ここにさっきの魔力を流して成長と念じてみれば…
で、できた!根っこの先が30cm程延びた!
これならすぐ根っこが広げられるかも、と思っていると、
≪成長時に7割の魔力の無駄が確認できます。私に成長の主導権渡していただければ、無駄を削減することが可能です。≫
な、なにー。俺が質問せずにやったからって、そんなに無駄がでるわけないだろ。失礼しちゃうな。
まあ、一様さっきと同じ量の魔力を与えるから、やってみなよ。
…1m延びた。『補助人格』さん、調子乗って本当にす見せんでした。これからもよろしくおねがいします。
≪こちらこそ、よろしくお願いします。成長は私が行いますので、貴方は根っこの延ばすルートを思い浮かべててください。≫
わかった。じゃあこのあとは、ここをこうしてこうやって…
それから俺と『補助人格』は根を張り巡らせていった。途中、『成長促進』と『魔力貯蔵』と言うスキルをてに入れることができ、成長スピードが上がったり、魔力を貯めておけるようになった。
そして、元『メソナン森林』の地中を全体の4分の1まで根を広げたとき問題が起こった。