ー第1話シリアリファ
ー第1話シリアリファ
中東シリアの反政府軍に従軍して、この街に入ったのは明け方だった。
突然機関銃で撃たれ、反政府軍兵士の背中にすがり付くように走った。
防空壕のドアを4っ潜った後、イギリス人のジョニーが居ない事に気付く。
空いたドアから乾いた機関銃の音が聞こえる。
反政府軍兵士が厚いドアを閉めると静寂が覆い被さってくる。
アラブなまりの英語で、シールズを呼んだと兵士が言う。
米海軍の特殊部隊の事だろうか?
鈍い音がして、分厚いドアが内側に膨らんだ。
フランス人のジョルジオが日本語で俺にささやく。
「空爆だ!」
現代の爆弾の爆風は防空壕のドアを吹き飛ばす。
そして内部を焼く。
アメリカ人のジョンが外に出ようとドアに行くのを全員で押さえつける。
1時間して、もう一度ドンと音がして、ドアがゆっくりと開いて行く。
反政府軍兵士が銃をドアに向ける。
パンと言う音のあと銃を持った政府軍兵士が倒れ込んできた。
外から
「アフガニスタン」
と声がすると、反政府軍兵士が
「バナナスタン」
と言う。
銃を降ろして兵士は笑った。
米軍のヘルメットが現れた。カメラを持っており、
グシャグシャになっている
戦場カメラマン達にシャッターを切った。
「土岐?無事か?」
「山際さん?どうしてここに?」
「リークされたのをつかんだ。ロシアは君らが嫌いらしい」
「アメリカ軍が何故助けてくれたんです?」
「ライツ司令官に、こう言う時のために借りを幾つか作ってある…で、急いでヘリに乗ってくれ。怒り狂ったロシア空軍の二次空爆が来るまで後20分だ」
俺は生き延びた。