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いつか夢はかないますか?  作者: 武上渓
10/13

ー第4話2

「発進ヘタクソだね」

後ろから渡辺が言った。

「しがみついてたのが吹っ飛んだ。ナイスアシストだ」

ナビ席の僕が後ろを見ながら言う。

「バイクで来たよ!」

見るとFTR をパクった男が迫ってくる。

「キーを差したままだった。どうするか?だな……」

「倒しちゃえ!」

「ダメだ」

「なんで?」

「あれ、卓司のバイクだから」

「卓司すごいやん。僕は僕はあぁゆうのに乗ってるの?」

「乗ってるよ。楽しみにしとけ!」

男はヘルメットを被っていない。

なら…。


男は横に付けて来た。

左手を背広の中に入れて、拳銃を持った手が出て来た。

「片手運転すんな!卓司のバイクだぞ!」

あんっ?と言う顔をして隙が生じた。

ナビ席の僕が手を伸ばして、呆気なく拳銃をもぎ取った。

そして、北警察署の前に差し掛かった。

パトカーが跳びだして来て、スピーカーが怒鳴った。

ーノーヘルバイク~停まりなさい。並走をやめなさいー

男はバイクを停めて、捕まると思いきや、田んぼの中を人とは思えないスピードで逃げ始めた。

ー逃げるな~止まりなさいー

パトカーは追跡の為に走り去った。



そして、セリカの車内もナビ席の僕も、後ろの渡辺も。

白く点々に抜け始めた。

僕はセリカを停車させた。

「帰る時間が来たみたいだ」 

渡辺が笑顔で、前に乗り出して言った。

「20年後に会おう!」

僕は両手で二人を抱き寄せた。

二人とも暖かかった。

そして白い闇が全てを閉ざした。


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