中ノ上
訳あって再投稿しました。
ミスってすみません!
「うぉぁぁぁッ!!身体中が痛……くない……」
確か数秒前、学校に仕掛けられた爆弾が爆破したような、そして俺は巻き込まれて激痛が走って……。
いや、考えてはいけない。
頭がおかしくなりそうだ。
とりあえず現状の確認でもしておこう。
目の前に広がるのは、広大な空と白い雲。
そして数々の衛星らしきもの。
助かっては……いる訳がなかった。
「ここ……どこ……?」
やっとその言葉を絞り出す。
今まで寝そべっていた体をゆっくりと起こす。
そして思案は事実へ変わった事を思い知らされる。
俺は今、果てしなく続く崖や奈落だらけの荒野っぽいところにいた。
ちなみに今は崖の上にいる。
明らかに突っ込みどころがありすぎる現状。
だがそれよりもおかしい点がさらに二つある。
一つ目。
目の前に浮かぶ様々なアイコン。
まるでゲームの世界のようだ。
二つ目。
ドラゴンと勇者っぽいやつがいる。
だが、明らかに普通じゃない。
端的に言うと、『死にかけ』なのだ。
色々考え、導き出した結論は……
あぁ、これあれだ。
『異世界転生』ってやつだ。
その後数分間は心を落ち着けるため、死にかけの勇者とドラゴンの前で呆然と座っていた。
すると、
「だ……誰かいるのか?」
勇者っぽいやつが血まみれの顔を少しこちらに向けて言ってきた。
その言葉で俺の意識は現実へと引き戻される。
「は、はい!」
まだ事態の収拾が付いていない俺は、どもりながらもそう答え、フラフラする視界と体でなんとか勇者っぽい奴のそばにたどり着いた。
「こんな格好で済まない。わたしは西の帝国の勇者とい、ゲホッ!ゲホォ……」
「大丈夫……な訳無いですよね……」
酷い出血だ。
文字通り血の池が出来ている。
普通の人間ならまず間違いなく死んでるだろう。
すると横から
〈グッ……グァァ!私が、こんな所で!〉
ドラゴンがそう脳内に語りかけてきた。
ドラゴンも勇者と同じくかなり危険な状態なことは、見れば一瞬で分かる。
しかし、それっきり「ゔぅ」とか〈ガァ〉としか喋らなくなってしまった。
そんな時だった。
目の前に文字が表示される。
●助けますか?
と。
その下には
▶︎はい ▷いいえ
と、このように表示されている。
助けるだって?
俺が?
冗談じゃない。
俺にこんな状態でどうしろって言うんだ。
その答えは、案外早く返ってきた。
「悪いが、私のポーチから回復石を取り出してくれないか?」
なるほど、ここで話に乗るのなら[はい]、乗らずに見捨てるのなら[いいえ]を選ぶわけか。
どちらを選ぶか、決まっているようなものだ。
流石に俺はそこまで落ちぶれてはいない。
助けよう。そう決心して言った。
「今助けます!」
「あ、あぁ。たすか、る……」
俺とてまだ足取りがおぼつかないが、勇者よりは数千倍マシだ。
まずいと思い駆け寄る。
今や風前の灯火となっている勇者の元へ。
しかし、ここで不幸が起こる。
もう少しで勇者との距離1メートルと言う所で、
パキパキ……
「?!」
ビキビキィィッ!!!!
地面に亀裂が走る。
そしてその亀裂は勇者とドラゴンのいる崖の一部を切り落とした。
「…………」
何も考えられないまま、奈落へと落ちて行く勇者どドラゴンを乗せた崖を見送るだけだった。
また目の前に文字が現れる。
●▶︎いいえ・が選択されました
●神龍を討伐しました
●勇者を殺害しました
●死の略奪者の発動により、すべての能力を引き継ぎました
●死の略奪者の発動により、すべてのアイテムを引き継ぎました
●レベルが上がりました
●レベルが上がりました
●レベルが上がりました
●レベルが上がりました
……
……
……
その後数分間、鳴り止まないレベルアップコールを背に、俺はただ呆然と立ち尽くしていた。
前書きにも書きましたが、アップするデータを間違えてしまいましたのでもう一度アップさせていただきます。
以後気をつけます!
(二話目からこれでは幸先が悪すぎる)