表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人間のカケラ  作者: 龍神昇
3/4

母の事

 僕の母は、正美という名前で精神分裂病だ。その母の母であるお婆ちゃんも、精神分裂病で、母とお婆ちゃんは同じ精神病院に入院していた。


 当時は、統合失調症とは言わなかった。母方に障害者が多く遺伝なのかと思った。


 毎月一度は、病院に家族でお見舞いに行った。僕は母が大好きで、毎月会えるのが楽しみだった。お婆ちゃんは僕が保育園児の時、高齢で入院中亡くなった。お葬式で初めて人の亡骸を見て、これが死ぬという事なのかと思った。


 母は、家にいるより病院に入院している方が多く、甘えたい盛りの僕は、とても寂しい思いをして毎日を過ごしていた。


 保育園の送り迎えは、親父がやってくれた。迎えの時間は毎日遅く、僕は一人居残り、かわいそうだからと保育士さんが、昼食のサンプルを食べさせてくれた。そこへ親父が涼しい顔で迎えに来る。保育士さんも、呆れて親父に注意しなくなっていた。


 迎えの車に乗り、それからが大変だった。車を走らせ、左に曲がると家へ帰れる。右に曲がると、親父のリフレッシュタイムだ。


いつもの飲み屋に入り、長い時、二時間は僕を車に残し、ロックをかけ放置された。僕は毎日車が左に曲がるのを祈ったが、ほとんど右に曲がるのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ