第4王子エルトン
第4王子エルトンは、王と第4妃との間に生まれた現在6歳の王子だ。
10年後、主人公のサポート役(親と兄を殺す黒幕)になる予定の少年だ。
いまのところの彼の状況をいうと、第4妃と他の妃との争いに巻き込まれた少年だ。今の後宮は、王妃と第2妃の争いが起こっていた。
彼の母第4妃は、第2妃に近い立ち位置にいるので、中立と公言しているのに自然と後宮では冷遇されていた。
そんな彼が、遊びに行ける場所は限られていた。第3王子グランの所と後は誰も近づかない城の隅だった。
「グランお兄様いますか?」
カチャリ
「やあ、エルトンじゃないか。よく来たね」
「具合は大丈夫ですか?」
「あぁ、今日は調子がいい。」
「この間レノーワお兄様が僕の所に来てね、トランプをくれたんだ。一緒にやらないか?」
数分後
「ふう、エルトンは強いね。」
「お兄様こそ、さっきは勝ってましたよ‼」
「………あぁ、そうだな。」
バァン
扉が勢いよく開かれる。グランの母第3妃がそこにはいた。グランは、母がくるのを予想していたのか「母上……」と言っていた。
「グラン‼何をしているの⁉なぜ第4王子がここにいるの⁉」
「それは………私が誘いました。」
「…ダメよ‼これからは第4王子と遊んではいけないわ。」
「どうして……‼」
「第4妃は第2妃と親しい。今の後宮は、争いの真っ只中……つまり第2妃はこの国の敵と言ってもいい存在。王妃様を怒らせることはこの国を破滅に追い込むことになるのだから。」
「だけど……」
「あなたの言いたいことは分かります。ですが、ウマルキヤ王国を敵にまわすわけにはいきません。」
「………ウマルキヤ、王妃様の出身国ですね。強大な力をもつ軍事力は大陸一だとか。」
「…そうよ。ですからこれからは第4王子を部屋につれてきてはダメよ。」
バタン
何かを言い合った後、第3妃は出ていった。だけど、二人の言っていることはエルトンには、分からなかった。
「ごめんね、ごめんエルトン。もう、ここには来てはいけないよ。」
「どうして……どうして‼お兄様」
「ダメだ‼」
……グランには、こうするしかなかった。
グランの部屋を追い出されて、エルトンは泣いていた。
「どうして……お、お兄様僕…何か…した…の」
❮ううん、君はなにもしていない。悪いのはこの国だよ。僕は、イミル。よかったら力を貸してあげる❯
何処かから声が聞こえた気がした。




