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4人の王子と1人の皇太子  作者: アルゴンa
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第3王子グラン

第3王子グラン=アルバースは、病弱で今日のレノーワの誕生会にも出席できなかった。


今は趣味の編み物を編んでいる。別に編み物が好きという訳でもないが、あまり外に出られない自分にはそれくらいしかやることがなかった。


出来上がった編み物を満足げに見て、グランは編み物を側にある机に置いた。


外に目を向けると王宮の庭園が見えてくる。大広間の明かりがここまで見えているのでそれだけで華やかな宴の様子が想像できた。


グランはため息をついた。自分の病気は重いものではないけど、頭痛や腹痛、微熱など持病はたくさんあった。自分が王族として期待されていないことは充分分かっているけれど自分だって『王族』の一員なのだからこういった重要な式典、特に兄弟の誕生会には出席したかった。


だけど、現実ではこうして療養中………。いい加減編み物も飽きてきた


外を眺めていると、扉がノックされる音を聞いた。貴族たちは今日の誕生会に出席している……外にいる衛兵だと思い、入ってもいいとつげた。


予想に反して入ってきたのは、第2王子レノーワだ。今日の誕生会の主役がどういうことなのか?それを聞いた。


「あぁ、娘を側室にしろって貴族どもがうるさくてな。部屋に帰ろうとも思ったがつまらなくてな」


確かに二人の兄は結婚適齢期を迎えている。


「なるほど、だけど僕の所に来てもなにもありませんよ。あるのは薬と編み物ぐらいですよ。」

「フン、そんなこと分かっている。だが、お前には薬なんかより森とか自然で囲まれたところでの療養が一番だと思うぞ。」


……確かにその通りだとは思った。だが、王宮の方がお金がかからないし、なるだけみんなに迷惑はかけたくなかった。


「そうだ❗お前にこのトランプやるよ。俺のお古だけどな、まぁお前はあのきちがいと仲がいいみたいだから今度、つきあってもらえよ。」


きちがいとは、上の兄で皇太子のエインのことだ。

かぼちゃの亡霊にとりつかれたとかワケわからない噂ばかりの人だ。まぁ僕が女だという噂もあるくらいだから、ただ女官が好き勝手言っているだけだろう。


「じゃあな」


そういって、兄は部屋を出た。


1人残された僕は相変わらずだなぁ、そう思った。



「はぁ、今日はもう寝よう」


グランはベットに入った。今日は、夜更かししたなあと思った。兄レノーワが部屋を訪れてくれたことが嬉しく、夜更かしもたまにはいいなと思って、眠りにつくグランだった。





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