皇太子エイン
アルバース王宮の東側に皇太子の部屋はある。
中は黒色の家具で統一された美しいもの、だけど、その部屋はベットと机と椅子、クローゼットくらいの家具しかなかったが。
ベットには金髪の男性が寝ている。
毛布を被っている男性は突然、眉を歪ませむうーっとうめき声のようなものをあげていた。どうやら悪夢を見ているようだ。
死にそうな青白い顔をして、うなされているのはこの国の皇太子エイン=アルバースだ。
彼は夢を見ていた。とてもこわい夢だ。かぼちゃを被っている第5王子フェレクに殺される夢だ。手にはピカピカ光る刀を持っている。なぜか身体が動かない。
持っていた剣を振り上げようとしたその時、血飛沫が飛び散り、頬を濡らす。誰のものだ……そう思い視線を横にずらした。
横にずらした瞬間答えが分かってしまった。
積み上げられた死体の数々、父や母、弟、妻と子、家臣と思わしき男、無差別に積み上げられた死体の山だった。
みんなエインをなぜお前は生きているとでもいいたそうにうらめしい、と視線を投げかけていた。
「う………‼うわあああああああ⁉」
被っていた毛布ごとベットから落ちてエインは起床した。絶叫しながら朝を迎えるのも7日目でまわりも慣れたようで兵士たちは慌てて部屋に入ってくることもなかった。
悪夢を見るようになったのは1週間前だ。周りからは変わったといわれるようになったが、変わっていることは理解している。イヤ、これで理解しない方がおかしい。
20歳のエイン=アルバースには、別人として生きた20年間の人生があった。20歳まで生きてどこかで死んだのか…それは覚えていない……だから精神年齢だけ20歳老けた悪い言い方をすればこうだ。
取り敢えず自分の置かれている状況も推測することも可能なほどに落ち着いてきたので考えることにした。
まず、前提として自分はエイン=アルバース、しかし年齢20歳、自分とは違う別人の記憶にはなぜか30代まで生きた記憶があるような気もする。
「可哀想……皇太子なのに一言も喋らずにあの世にいくなんて‼」いきなり声が頭にフラッシュバックする
なんだ誰だ?今のはそうか……ここはあの漫画「ギルティーナイトこの空に舞う」の世界か。
エイン=アルバース……ん?何か大事なことを……
「そうだ‼こいつ1巻の最初の方で殺されるんだったあああああ‼」
エイン=アルバースの優雅な朝は終わりをつげた。
もう1話エインの話が続きます。




