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Private Detective Satomi  作者: 坂上聡美
1.初めての捜査
7/33

7.犯人逮捕

 聡美は新宿署へ車で向かった。

「義人くん、取り調べの結果は?」

「やつらは関係なかった」

「どういうこと?」

「銀城が殺害されたとき、全員にアリバイがあった。裏も取れてる」

「そっか。こっちは黒田 重治って男と会ったわ。銀城と親しいみたいよ」

「そうか」

「それより銀城の遺留品を見たいんだけど」

「鑑識で保管してるよ」

「そう」

 聡美は鑑識課で銀城の遺留品を見た。

 携帯、財布、タバコ、拳銃、身分証。

「なんで拳銃が?」

「ああ、それはライターです」

「そう」

 聡美が拳銃の引き金を引くと火が出た。

「こんなの本当にあるのね」

 遺留品から犯人の手掛かりになるものはなかった。

「見せてくれてありがとう」

 聡美は鑑識を出ると、横田の家に向かった。

「ああ、探偵さん。どうかなさいました?」

「旦那さんを殺害したと思われる容疑者が殺害されたんですけど、何か心当たりは?」

「そうなんですか? でもわかりませんね」

「そうですか。では、黒田 重治って名前に心当たりは?」

「黒田 重治? 重治は知らないけど、黒田くろだ 隆弘たかひろって方なら知ってます」

「その方は?」

「夫の親友です」

「連絡先はわかりますか?」

「夫の携帯に電話番号が入ってる筈です」

 洋子が夫の携帯を確認する。

「あら? おかしいわね」

「何か?」

「黒田さんの連絡先がないんです」

「ではこっちで調べます。ありがとうございました」

 聡美は86で役所へ行って黒田 隆弘の住所を調べると、その住所の場所へ向かう。

ピンポン──インターホンを押す。

 ドアが開いて中から男が出てくる。

「私立探偵の坂上です。横田さんのことでお伺いしました」

「ああ、ニュースで見ました。首を吊ったらしいですね」

「奥さんが言ってたんですけど、横田さんの携帯からあなたの連絡先が消えていたそうですよ」

「そうなんですか?」

「ええ。それで、少しお話を聞きたいのですが、事件の日、あなたは何を?」

「銀城さんと兄貴と三人で飲んでました」

「銀城って磯貝組の?」

「そうです」

「その銀城さんも他界しました」

「え?」

「何者かに殺されたみたいです」

ちなみに──と続ける聡美。「お兄さんの名は重治?」

「何でわかるんですか?」

「先程、銀城さんのお宅で会いました」

「そうだったんですね」

「ついでに聞きますが、昨晩九時頃は何を?」

「……………………」

「何か言えないことでも?」

「いいえ、ただ……」

「ただ?」

「ご、ごめんなさい。僕が二人を殺しました」

「どういうことですか?」

「僕、クスリやってたんです。それを横田に咎められて……」

「銀城さんは口封じですか」

「銀城さんは横田を殺した時に遺書を作ってくれて。でも、あとでゆすりを……」

「そうだったんですね」

「兄が銀城さんのところに行ったのは死体の処理の為でした」

「でも発見されるのが速かった」

「そうですね」

 聡美は手錠を取り出した。

「あなたを横田さん、並びに銀城さん殺害の容疑で逮捕します」

 隆弘に手錠をかけると、聡美は彼を86に乗せて新宿署に連行した。



挿絵(By みてみん)

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