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Private Detective Satomi  作者: 坂上聡美
1.初めての捜査
5/33

5.嫌疑

 新宿警察署捜査一課。

 木島警部が聡美に言う。

「やつらだんまりだ」

「やつらを解放して川本さんに調べさせたら?」

「川本?」

「吉田名義で磯貝に潜入してる麻取の人」

ところで──と、聡美は続ける。「横田さんが峯岸として潜入してること、どうやって知ったの?」

「組対課の情報だよ」

「合同で薬物捜査してたってこと?」

「そうだ」

「なるほど」

「聡美の方はどうするんだ?」

「組対課行ってみる」

 聡美は組織犯罪対策課を訪問した。

 強面の刑事が聡美の下へやってくる。

「何の用だ?」

 聡美は探偵手帳を見せる。

「こう言う者なんですが、磯貝組について教えて下さい」

「あんたが横田の事件を調べてる探偵ってやつか?」

「ええ。教えて下さいますか?」

 刑事は答える。

 磯貝組が海外から麻薬を裏ルートから輸入していたこと。

 その裏ルートに中国マフィアが関わっていること。

「──こんなところだ」

「そうですか」

「あんた、これからどうするんだ?」

「横田さん殺害犯を挙げます」

「そうか」

「それじゃ」

 聡美は会釈をすると、組対課を出た。

(横田さん、一体誰に……?)

 聡美は新宿署の廊下を歩きながら考えを張り巡らせる。

(組織ぐるみの犯行?)

「だとしても証拠が……」

 聡美は磯貝組の事務所を訪問した。

 組員はしょっ引かれていて誰もいない。

 聡美は事務所内を捜索するが、証拠と言えるようなものは何もなかった。

 外へ出る聡美。

 表には川本がいた。

「川本さん!?」

「思い出したことがあってね」

「思い出したこと?」

「横田が亡くなる前日、誰かと会ってたみたいなんですよ」

「誰かと会っていた?」

「誰かははっきりしないんですけどね」

「どこで会っていたかは?」

「さっきの公園ですよ」

「どんな用件で?」

「さあ? そこまでは」

「そうですか」

どうもありがとう──そう言って、聡美は新宿公園に移動した。

 近隣で聞き込みをすると、横田と何者かが会っているのを目撃したという情報の持ち主と遭遇した。

 目撃者から何者かのことを聞き、モンタージュを作成する聡美。

「こいつは……!?」

 銀城だった。

(銀城が殺したの?)

 聡美は新宿署に戻った。

「銀城は?」

「取調室」

 聡美は取調室に入った。

「どうした?」

 と、木島警部。

「横田さんと何話してたの?」

「は?」

「事件の前日に横田さんと会ってたって情報があるんだけど」

「おい、それ本当か?」

「うん」

「……あいつ、麻取だったのな」

「知ってたんですね?」

「今、この刑事に聞いて知った」

「で、何を話してたんですか?」

「それは……」

「あなたが殺したんですか?」

「な、何言ってやがる!? 俺はってねえぞコラ!」

「まあまあ、落ち着けよ」

 木島警部が銀城をなだめる。

「銀城さん、話して下さい。あの日、何を話していたのか明確に」

「金を返せって話だったな」

「それで話がこじれて殺した?」

「だから殺ってねえよ! あんた、俺が殺したことにしてえみてえだけどよ、そんなに言うなら証拠を持ってこいよ」

「どうせ証拠を持ってきても親に握り潰されるのがオチよ」

「何だと?」

「あなた、今まで何度殺しをしてきた? その度に代議士の父親に握り潰してもらってるでしょう? 今回もそうなると思ってるんじゃない?」

「うるせえ。お前らにはもう何も喋らねえ。弁護士呼んでもらおうか」

 取り調べを中断して部屋を出る聡美たち。

「弁護士呼ぶ?」

「それしかなさそうだな」

 木島警部は弁護士を呼ぶため、電話帳を見に行った。


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