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Private Detective Satomi  作者: 坂上聡美
1.初めての捜査
4/33

4.暴露

 聡美は新宿公園にやって来た。

「吉田さんですね?」

「ああ、そうだけど?」

 銀城の隣にいた真面目そうな顔をした男が答えた。

「あんた、峯岸のこと調べてんだってな。銀城さんから聞いた」

「峯岸さんの最近の私生活で何か変わったことはありませんでしたか?」

「さあ、知らないな」

「それでは、峯岸さんに恨みを抱えている人物に心当たりは?」

「知らない」

「そう。役人の仕事の方では?」

 銀城が疑問符を浮かべた。

「役人って何だ?」

「役人っていう仕事です」

「表にそんなのあったか?」

「吉田さん?」

「ツッ、スルーかよ」

 吉田は答える。

「そっちのはバレたって怯えてたね」

「吉田さん、峯岸さんについて調べたいので、事務所へ案内してもらえますか?」

「ああ」

 聡美と吉田は銀城を置いて磯貝組の事務所へトレノで向かう。

 走行中の車内で、聡美は吉田に訊ねた。

「吉田さん、あなた本名は何ですか?」

「吉田だよ?」

「あなたが麻取だってことはわかってます。峯岸さんも偽名ですよね。本名は横田よこた あきら。あなたと同じ麻取で磯貝組に潜入中なんじゃありませんか?」

「あなたは横田の身元がバレたから殺されたと?」

「公園でのあなたとの会話でわかりました。磯貝組の者に殺されたのでしょう。自分達を騙していたのですから」

「川本です。川本かわもと 義成よしなり

「え?」

「俺の名前ですよ」

「坂上 聡美です」

「あなたは刑事なんですか?」

「ただの調査員ですよ」

「私立探偵。そういえば探偵業法が改正されてましたね」

「横田さんを殺害した犯人を特定して逮捕しますよ」

「俺に手伝えることはありますか? せめてあいつの手向けのために協力します」

 トレノが磯貝組の事務所前に停車する。

 聡美と吉田、元い川本は事務所に入った。

「吉田、そいつは?」

 聡美は無言を回答にプリンターを操作した。

「なっ、てめえ何勝手に!?」

 印刷が始まり、用紙が出てくる。そこには例の遺書が書かれていた。

(間違いない。犯人は構成員の誰かだ)

「皆さん、峯岸さんが何者かに殺されました」

 驚き戸惑う組員たち。

 と、そこへ木島警部一行がやって来る。

「義人くん」

「聡美じゃねえか。一番乗りか」

「何だおめえら?」

 木島警部が警察手帳を取り出す。

「新宿署の者だ。峯岸 優斗殺害の件で話がある」

「義人くん、犯人はここの組員よ」

「何だとコラ!?」

 聡美は用紙を示した。

「これは峯岸さん宅から発見された遺書と同様の物です。これが印刷されたってことは、峯岸さんは構成員の誰かに殺されたと見るのが妥当でしょう」

「お前ら全員署まで同行してもらうぞ」

 木島警部たちは組員たちを任意同行させた。


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