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Private Detective Satomi  作者: 坂上聡美
6.消える薬剤

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18/33

1.投身

 美琴は東京警察病院に搬送されていた。

 付き添いで聡美も一緒にいる。

 医師の診断により、二、三日の入院が必要だと言うことだ。

「初めまして、だね」

「そうだね」

「本当にお姉ちゃんなんだよね?」

「うん」

「私、お母さんに言われるまで、姉がいるなんて思ってなかったわ」

「美琴の育ての親って、確か財閥の令嬢よね?」

 美琴の育ての親、神崎(かんざき) 美江(よしえ)は、神崎財閥の令嬢である。夫はいない。

「そうだけど」

 その時、窓の外を、何かが落下した。

「え?」

 疑問符を浮かべる美琴。

 聡美は窓の外を確認した。

「……!?」

「お姉ちゃん?」

「人が転落したみたい」

「え?」

 聡美は上を見上げるが、怪しいものは見つからない。

「きゃああああ!」

 下から悲鳴が聞こえた。

 騒ぎを聞きつけた病院の看護師が、遺体の前までやってくる。

「大丈夫ですか?」

 看護師が遺体に訊ねるが、答えるはずもなく。

「看護師さん、その方、屋上から転落されたのではないでしょうか!」

 看護師が聡美の方を見上げる。

「とりあえず、ドクターの方に死亡確認をしてもらって下さい! 今から下ります!」

 聡美は遺体のある地上まで急いだ。

 ドクターが生存確認をしている。

「瞳孔が開いてますね」

 ドクターが屋上を見上げる。

「あそこから落ちたんなら、即死か……」

「先生、死因は?」

 聡美の問いに振り返るドクター。

「あなたは?」

 聡美は探偵手帳を提示した。

「ああ、私立探偵の方……」

 死因は──と、続けるドクター。「全身を強く打ったことによるものだと思いますね」

「看護師さん、警察を呼んでもらえますか? 私一人じゃ手に負えないです」

 看護師がPHSを取り出して110番をした。

 やがて、警察が到着して、捜査が始まる。

 中野署の捜査員が、病院内を駆け回って情報収集をしている。

「それで、第一発見者の方は?」

「私です」

 聡美が言った。

「第一発見者というか、落下する瞬間を見たんですけどね」

「落下する瞬間?」

「入院中の妹と談笑していたら、上から落ちてきたんですよ。多分、屋上じゃないかと思います」

「あんた、名前は?」

「坂上 聡美です」

「ご職業は?」

「私立探偵ですよ」

「手帳は?」

 聡美は刑事に手帳を提示した。

「新宿支店の木島くんとは懇意(こんい)にしていてね」

「ほう。あの警部さんと」

「高校の時はカップルでした」

「そうなんですね」

「矢作(やはぎ)さん!」

 矢作刑事という捜査員の相棒がやってくる。

「屋上に横川(よこかわ) 敏夫(としお)さんの靴が揃えて置いてありました」

それから──と、続ける刑事。「靴の下には遺書が」

 矢作刑事は遺書を確認した。

「自殺、か……」

 矢作刑事は遺書を懐にしまい、「撤収!」と、解散する。


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