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Private Detective Satomi  作者: 坂上聡美
5.誤認

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16/33

1.容疑者は聡美

 聡美が殺人容疑で警視庁新宿署に連行された。

 一通り取り調べが行われ、黙秘していたら拘留されてしまう。

 非番だった木島警部が連絡を受けて聡美の元へやってくる。

「ミイラ取りがミイラになったか」

「開口一番にそれ?」

「冗談だよ。出してやろうか?」

「そんな権力ないでしょ」

「確かにな」

でも──と、続ける木島警部。「捜査して出すことは可能かもしれない」

「それは是非お願いしたいね」

 事件は新宿公園で起こった。

 ホームレスの荻田(おぎた) 鉄平(てっぺい)が刺殺されたのだ。

 現場には聡美の名刺と、聡美の指紋が付着したナイフが落ちていたことから、警察は聡美を容疑者としてしょっ引いたのである。

「お前はやってないんだよな?」

「当然よ」

「とりあえず、調べてみるよ」

 木島警部はそう言って、聡美の元を後にした。

 捜査一課に行き、事件の状況を確認する木島警部。

「吉田、お前が聡美を挙げたそうだな」

 吉田と言う刑事が答える。

「はい。証拠もありましたので」

「……ちょっと出かける」

 木島警部は新宿公園に向かった。

 新宿公園の遺体が発見された現場周辺で防犯カメラを探す。

(あった)

 防犯カメラを見つけた木島警部は、記録映像を取り寄せ、確認した。

 ……。

 …………。

 ………………。

 映像に聡美そっくりの女が映っており、荻田を刺す瞬間が捉えられていた。

「どう言うことだ……」

 映像を見終えた木島警部は、その映像を持って聡美の元へ移動した。

「これに映ってたぞ」

 映像を見せる木島警部。

「……!? こんなの知らない!」

「じゃ、なんでお前が映ってるんだ?」

「私じゃない!」

「だけど、これは誰がどう見たってお前だぞ?」

「指紋、もう一回調べなさいよ」

「指紋? 何で?」

「いいから調べなさい」

「はいはい」

 木島警部は鑑識課へ行き、指紋の再照合を依頼した。

 すると、微妙に違う指紋であることがわかった。

 木島警部は証拠不十分で、聡美を釈放した。

「聡美、すまなかったな」

「いや、それは気にしてはいなんだけど。それより、あの似てる女……まさかね」

「まさかって?」

「私には、赤ん坊の時に、生き別れになった双子の妹がいるのよ。その子が私を見つけて、人探しを依頼してきたわ」

「名刺、渡したのか?」

「渡したわ」

「そうか。依頼の内容は?」

「元彼を探してってことだったわ」

「それが荻田なのか?」

「いや、荻田は元彼の友達よ。どこにいるか知らないか聞いただけなんだけど……」

「だけど?」

「義人くん、山口(やまぐち) 晶(あきら)って人、知らない?」

「知ってる。東十条の環七通りにある歩道橋から飛び降りて自殺したやつだ。警邏(けいら)中のパトカーの前に落ちてきたそうだ」

「その山口が依頼人の元彼なのよ」

「何?」

「恐らく、山口は殺されたのよ」

「依頼人にか?」

「荻田に」

「え?」

「自殺扱いでも、鑑識作業はやるから、もしかすると証拠が出るかもね」


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