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神々の瞳  作者: 白苑
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メトンでの目的

 なかなか魔獣の癖に頭のいいやつだ。俺と実力は同等だ。能力がある俺の方が少し有利って所だ。

「グルルルルルルゥ」

 唸りながら少しづつ間合いを詰めてくる魔獣。目は紫色に光、俺の動きを的確に捉える。

「ガウッ」

 飛び掛ってくる魔獣をヒラリと交わして剣を振り下ろす。・・・が、逆にヒラリと交わされてしまった。

「甘い!」

 が、最近は能力の向上の伸びの良い俺だ。オーラで剣を包んでおいたので剣に特殊能力が加わっていた。

剣が地面に当たった瞬間、剣と地面の間で爆発が起きる。ちなみに、振り下ろした方向のみに爆発する感じなので、俺にはノーダメージ。

「ギャウッ」

 爆発を受けた魔獣は、血を垂らしながらグッタリと倒れこんでしまった。

「うむ、ま、能力もいい感じで使えるようになってきたな」

「ほ、本当ですか?・・・かなり疲れますけどね・・・」

 そうなのだ。オーラを使って戦闘を行うとかなり疲れる。オーラを纏っているだけでも、攻撃力、防御力、移動速度、反射神経が上がるのが俺の能力の特徴。さらにはほかに特殊能力があるのだ。

「それにしても、お前の能力は便利だな。普通に能力を発動するだけで、身体機能がかなり上昇する。今の戦い、能力がなかったらお前、負けてたな」

「ははは、そうですね。元の身体機能が低いので、少し疲れも溜りやすいですし・・・」

 現在遭難中なのに、こんな事で無駄な体力を使ってしまう俺・・・。

「ま、もうすぐ町に着くから、それまで我慢しな」

「現在遭難中ですよ?どうして分かるんですか?」

 適当な事言ってるとも思えないし・・・。

「オーラを感じるんだ。人が沢山集まっている場所には特に感じる」

「へぇ〜俺もそのうち分かるようになりますか?」

「さあ?これは私の能力に関係があるからな。お前まで感じるようになるかは、わからん」

 つまり、フレイヤさんの能力の断片みたいなものなのだろう。

ちなみに言うと、俺はフレイヤさんがどんな能力を持っているのか知らない。


 川を見つけて人が居ると思われる方向に歩き出す、フレイヤさんと愉快な仲間達。

人が沢山集まっているのを感じるなら、最初からその方向に向けて歩けばよかったのではないか?と思ったが飲み込む。

このメンバーと一緒に居て覚えた事は、『俺は一言多い』。つまり、攻撃の標的にされやすいという事だ。おかげで、言葉を飲み込むのは慣れた。これは、人間が生きる術を身に着けるのと同じことだろう。さすが俺。頭がいいからすぐ物事を把握できる。

「ほら、もう見えるだろ」

 俺は自分の成長を褒め称えながらフレイヤさんの指差す方向を見た。

煙突から煙が上がり、離れたこの場所からでも人の声が聞こえるほど賑やかな町だ。

 というか、長期戦に備えるため、食料の調節とかしたのに、その日に着いちゃったよ。

「ん?祭りでもやってるのか?」

 俺はそんなに賑やかな町だと思っていなかったので少し拍子抜けしていた。

「さぁ?見て確かめてくれば?」

 相変わらず、俺にはトコトン冷たいエリサ。目線を合わせようともしない。

「ほら、トキさん、エリサ。早く行こうよ」

 又もや俺とエリサを置いて先に進んでいるフレイヤさんとアリサを追いかけるように、先に進んだ。


 この町『メトン』は武器の町らしい。飛び道具や短刀、短剣(ちなみに俺は短剣と短刀の違いが良く分からない)に普通の剣と長剣。あらゆる武器の製造場と市場がある町だ。

「この町に来たのはいくつか理由があってね」

「いくつかの理由とは?」

「一個一個の用事が済んでからだな。まず、一つ目がお前に合った武器探しだ。トキは長剣向きだと私は思うね」

 今まで、あの名前も分からない筋肉のお兄さんから貰った重い剣で戦ってきた。実際、リーチの長さは長い方の武器で、その部分は使いやすかったが、少し重い気もしていた。

「それはありがたいんですが・・・」

「ん?どうしたんだ?」

「お金はどうすれば・・・」

 弟子になったので、今までの飯などは食わせてもらってきたが、武器のお金まで出してもらって良いのだろうか?

「それは気にするな。あんたが使いやすい剣で訓練する。そして、その力で村を守る。私にとっても無益じゃないんだ。気にするな」

「ハハハ、じゃあお言葉に甘えさせていただきます」

 俺とフレイヤさんはエリサ&アリサと別れて別行動。アリサはエリサの用事に付き合うらしい。

「んじゃ、私の友人がやっている工房に行こうかね」

「はい」

 俺はフレイヤさんの友人がやっている工房に向かいながら、自分の新しい剣をどんなのになるのか、期待をしていた。

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