ここはどこ?
「足らんな・・・」
数十体の死体を眺めながら呟いた。
そう・・・いくら殺しても足らない・・・・・・。人間も魔族も・・・弱くて弱くて相手にならない。さすが『神々の瞳』の力だ。ただの能力者など、紙屑に等しい。
「我と同等の者・・・『神々の瞳』を持つものだけか」
ならば探すか・・・・・・。『神々の瞳』を継ぐ者を・・・。
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「んー。テント暮らしはやっぱり辛いな・・・」
首がギシギシしてるし、腰も痛い。寝袋がなんだか硬い気がするし・・・。
「んー!あー!よく寝た!」
・・・どうやら俺の寝袋だけ固いらしい。おそらくフレイヤさんのイジメかいやがらせか、悪戯だろう。おそらく悪戯。
「ほら、さっさと片付けて支度しろ」
と、フレイヤさんとアリサは早く起きていたのだろう。もう既に準備が終わり今にも出発しそうな格好だった。
「そうだぞ、早く支度しろよ」
・・・なぜか今さっき起きたばかりのはずのエリサ、な、はずなのに既に支度も終わり、テントも畳んであった。
俺は急いで支度を済ませて出発した。
最近の俺の勘は的中することが多い。必ずしも的中というわけではないのだが、的中確立が高い。だが、今回はいい予感が全然しない。前では女性3名が俺に荷物を持たせて歩いている。
フレイヤさんは何も考えてなさそうで、ただ歩いている感じだ。
「フレイヤさん・・・」
俺は意を決してフレイヤさんに尋ねる事にした。
「何だか道に迷ってません?」
「何を言ってんだ?迷ってるはずないだろ?」
「・・・ここって地図見なくても歩けるほど、通いなれてるんですか?」
俺はフレイヤさんの手に地図がないこと、方位磁石もなにも持っていないことを不安に思っていた。
「まさか。ここを通るのは3回目くらいだな」
「・・・ならここがどこだか分かりますか?」「分からん」
・・・・・・ちなみに、今、俺達の居る場所は山の中。道も何もない所。つまり、おそらくは、樹海・・・。
「よし、とりあえず、川を探そう」
山の中を迷ってることが発覚してから数分。フレイヤさんが原因にも関わらず、又先頭にたとうとしていた。
「フレイヤさん・・・」
「ん?なんだいアリサ」
アリサは俺に近寄りバッグの中身を開けて、食料を取り出す。
「あんまり迷ってる時間はありませんよ。食料のなくなりが思ったより少ないです。今日から二食にして、長期戦に備えたほうがいいと思います」
アリサの提案に対してエリサも同意する。
「うむ、ま、仕方がないか。酒のつまみが減るのはつまらんなぁ・・・」
誰のせいだ!と叫びたくなるのを寸前で堪える。あんまり暴言を吐くと殺されてしまうので要注意だ。
「あ、そうだ。この山魔獣やらなんやら出てくると思うけど、私達3人は対応しないから」
「へぇ?」
「だから、トキ1人でどうにかしろ」
・・・つまり、これも訓練って事らしい。町に着くのは何時になることやら・・・・・・。