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神々の瞳  作者: 白苑
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湖の出会い

幻想的に広がる湖。そこは人を拒絶する雰囲気の漂う場所。人の気配は無くただただ綺麗な湖が広がっている。


 人は弱い生き物だ。自分と違うものは認めない。認めようともしない。狭い狭い心を持つ生き物だ。俺もそうだ。

だが俺は普通とは違う。普通の人とは違う。普通をどのように定義すればいいがわからないが・・・。

俺は違う。皆と違う。一つだけ・・・一つだけ違うんだ。


・・・そう、左目が・・・。



 俺は湖を覗き込む。かなり透明度の高い湖だ。新品のガラスを見る時以上に透き通っている感じ。綺麗な水に手を入れてみる。少しひんやりとする冷たさの水をそのまま手で掬い上げ、口まで持ってゆく。「・・・ごくっ」と一飲みする。・・・うむ、うまい。水に対して美味いと感じたことは初めてだ。よくテレビで「この水は本当においしいですね!」なんて台詞よく聞くが水なんて変わらないと思っていたが、今日でその考えを改める。(この水は美味い!)と、俺は心の中で叫ぶ。綺麗な水ってのは味までいいものなのかと関心してしまっていた。

 ――急に背筋がゾッとした。後ろを振り返ったり周りを見渡す。何か冷たい感じが背筋を襲ったからだ。だが、周りには木々と大きくて綺麗な湖のみ。誰かが俺に殺気を放つ事も確認できないし、何より回りに人が居ない。そのうえ動物すら居ない。鳥の何声すら聞こえない。(こんな森の中なのにおかしい・・・)俺は少しづつ異変に気がついていた。

そう、ここは・・・


「―――ここは何処だ?」


 いよいよ俺の頭はおかしくなったらしい。


「何処だ?ここは・・・」

 もう一度自分の頭の中に尋ねるが答えは返ってこない。まさか・・・

「記憶喪失・・・」

 自分の言葉に寒気がする。俺が記憶喪失?・・・そうか、だから此処が何処だかわからないのか・・・。ん?でも俺自分の名前わかるぞ?


「杵島 朱鷺」


 そう、俺はキシマ トキ。うん、俺は杵島 朱鷺だ。間違いない。

何か自分で自分の名前を確かめる物が無いかどうかポケットの中を探る。その時ある事に気づく。

「・・・学生服」

 そう、学生服を着ていた。つまり此処は学校の中?・・・いや、ありえない。こんな森が学校の中にあるはずが無い。そのうえ湖まである。それに学校の中なら見覚えがあるはずだ。二年生にもなって学校で迷うなんて馬鹿な事はしない。

 俺は一度そこで首を横に振り自分の名前が書いてありそうな物を探す。俺が着ているのは学生服。つまり生徒手帳がポケットに入ってる確率は高い。俺は普段からポケットの中には聖都手帳を入れておく方だ。学ランのポケットに手を入れてみると、

「ビンゴ」

 手がポケットの中で生徒手帳に触れたことを確証する。このザラザラ感は間違いなく生徒手帳だ。生徒手帳(仮)を手でつかみ取って見る。・・・うん俺の生徒手帳だ。表紙にばっちし名前が書いてある。・・・だが俺は安堵感を感じることはできなかった。

「・・・・・で、ここはどこだ?」

 独り言が今日は多い気がす―――

「ここは聖域です」

 予期していなかった答え。少し高くてきれいな声が背後から聞こえた。俺は反射的に背後に振り返った。そこには――綺麗で――現実味が無くて――彼女は髪をなびかせながら立っていた。


初めて書きます。まだまだ至らぬ点が数多くあると思いますが、これからも読んでもらえるとうれしいです。連載なので有る程度定期的に書きたいとは思っています。

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