第7話 街を襲う未知魔物
第7話 街を襲う未知魔物
SSS級魔物を討伐してから数日後。
俺とリリアは、次の任務のために街道沿いのアリエル町へ向かっていた。
目的は、魔物の残党の確認と町の住民保護だ。
しかし、街に着くや否や、異変が起きていた。
空が赤く染まり、遠くで巨大な影がうごめく。
建物が揺れ、瓦礫が飛ぶ。
人々は悲鳴を上げながら逃げ惑っていた。
「……レオン様! 街が!」
リリアが慌てて指差す方向を見ると、黒曜石の鱗を持つ魔物が町の中心部に出現していた。
体長は前回の数倍。
目が赤く光り、息をするだけで周囲の建物が崩れる。
――未知のSSS級魔物だ。
「さて、仕事の時間だな」
俺は肩をすくめ、指を鳴らす。
全属性魔法の魔法陣が足元に展開され、周囲の魔力が解析される。
魔物は町の建物を次々と破壊し、人々を蹴散らす。
しかし、俺とリリアは動じない。
「リリア、時空魔法で避難ルートを作れ」
少女は魔法陣を展開し、空間をねじ曲げて民間人を安全な場所へ転移させる。
瞬間、子供たちや老人が消え、森の中に安全に避難した。
「さすが……!」
俺は微笑む。
そして、魔物を睨む。
全属性魔法を同時に解放し、火炎、氷結、雷撃、闇、光の攻撃を一気に叩き込む。
魔物は苦しげに吠え、地面を叩きつけて反撃するが、解析EXで完全に動きを読んでいる俺には通用しない。
周囲の冒険者たちは目を丸くし、声を震わせる。
「……新人Sランクが、あの魔物に立ち向かっている……!」
町民も息を呑む。
これが、追放された無能貴族の力だ。
魔物は凄まじい力で反撃を試みるが、リリアが時間を遅延させる魔法で補助し、俺の攻撃は完璧に命中する。
瞬く間に、魔物の体表に亀裂が入り、鱗が剥がれ落ちる。
だが、魔物の正体が徐々に明らかになってきた。
解析結果に表示された文字列――
【古代魔族残党】
【王国崩壊との関連性あり】
リリアが息を飲む。
「……古代魔族……? どうしてこんなところに……」
「この魔物、単独じゃない」
俺は指を鳴らし、魔法陣で周囲の魔力を解析する。
すると、森の奥にさらに複数の魔族の気配を感知。
「……やっぱり、来るべきところに来たな」
魔物は最後の咆哮を上げ、町の中央で大暴れする。
瓦礫が飛び散り、火柱が上がる。
しかし、俺は全属性魔法を最大出力で叩き込む。
解析EX+無限魔力の組み合わせで、魔物はたった一撃で動けなくなった。
リリアも補助魔法で安全確保と動力干渉を行い、民間人は無事だった。
町に静寂が戻る。
人々は驚きと安堵の入り混じった表情で、俺とリリアを見つめる。
「……まさか、あの新人が……!」
ギルドの上級冒険者たちも目を見開く。
今回の戦いで、俺たちは文字通り伝説を作ったのだ。
夜、町の人々が集まり、感謝の声を送ってきた。
俺は肩をすくめる。
「別に……俺はやるべきことをやっただけだ」
リリアは嬉しそうに微笑む。
「でも……レオン様のおかげで、町が救われました!」
俺は小さく笑った。
「さて……次はもっと大きな相手が来るだろうな」
魔族の気配は、まだ消えていない。
――世界は、俺の力を試す舞台を、次々に用意してくれているようだ。




