第6話 初めての任務・SSS級魔物出現
第6話 初めての任務・SSS級魔物出現
ギルドに登録してから数時間後。
冒険者ギルドの掲示板に、赤く光る緊急依頼が貼られた。
【緊急依頼】
危険ランク:SSS
依頼内容:街道沿いの未知魔物討伐
発生地点:アリエル町近郊
注意:推定魔力規模、解析不能
職員たちが慌てふためき、周囲の冒険者たちはざわついている。
「……SSS級!? 本当に新人でも挑むのか?」
小声で囁き合う声が聞こえた。
俺は掲示板を見つめ、リリアに目配せする。
「行くか」
リリアは小さく頷き、胸を張った。
瞳には、これから起こる戦いへの期待と緊張が混ざっている。
「はい、レオン様!」
街道沿いに向かうと、空気が変わった。
風は重く、草木がうねる。
鳥も鳴かず、遠くで何かがうごめく音だけが聞こえる。
リリアが呟く。
「……この魔物、普通じゃありません」
俺は指を鳴らす。
半透明の魔法陣が足元に展開し、魔物の位置を探る。
光が走り、森の奥に巨大な影が浮かび上がった。
――SSS級魔物。
体長およそ十メートル。
鱗は黒曜石のように光り、目は赤く燃えている。
その存在感だけで、周囲の空気がねじれる。
「……でかい……」
リリアが小声で呟く。
俺は肩をすくめる。
「俺にとっては、ちょっと大きい虫程度だ」
そう言うと、魔法陣から属性解析が展開される。
【魔物】
・属性:炎・闇・雷複合
・魔力規模:EX以上
・弱点:未解析
・行動パターン:解析不能
ギルド職員たちもこの情報を見て顔を青ざめる。
「……新人に、挑ませて大丈夫か……?」
俺は軽く笑い、指を鳴らした。
「大丈夫だ。まずは様子見から」
リリアが呟く。
「でも……戦う前から圧倒されそう……」
俺は小さく笑った。
「安心しろ。圧倒されるのは、向こうだ」
森に踏み込むと、魔物の気配が増してくる。
大地が震え、木々が折れ、風が唸る。
――そして、ついに魔物が姿を現した。
十メートル級の巨大竜。
鱗に黒曜石の輝き、目からは赤い光。
息をするだけで、周囲の空気が灼熱に変わる。
「――でかすぎる」
リリアが呟き、少し後ずさる。
しかし俺は、笑みを浮かべる。
「おいおい、もっと威圧感出してくれよ。助かる」
指を鳴らす。
魔法陣が全属性同時展開し、周囲を包む。
火、氷、雷、闇、光……全ての魔力が融合して、俺の手元に集まる。
魔物が吠える。
そして突進。
――瞬間、俺はその場に立ち尽くし、指を鳴らすだけで魔物の動きを全解析した。
【魔物解析】
・体力:無限級
・弱点:右目に僅かな魔力反応
・行動パターン:予測不能
・危険度:SSS
リリアが驚く。
「……どうやって戦うんですか?」
「……見せてやる」
俺は全属性魔法を同時に解放する。
炎の嵐、氷の結晶、雷の矢、闇の触手、光の刃――全てが一瞬で魔物を包む。
魔物は苦しげに咆哮する。
だが、俺の魔力無限と解析EXで、完全に手の内を把握しているため、攻撃は回避不能。
リリアも時空魔法で援護する。
魔物の動きをわずかに遅らせ、俺の一撃が確実に命中するように補助する。
数分後、魔物は地面に崩れ落ち、動かなくなった。
周囲には、静寂と共に驚嘆の声が残る。
「……新人……あれは……」
ギルドの上級冒険者たちも、目を丸くしている。
俺は肩をすくめ、リリアに向かって微笑む。
「どうだ? 新人Sランク、なかなか悪くないだろう」
リリアは笑顔で頷く。
「はい、レオン様! やっぱり……すごいです!」
こうして、追放無能貴族の初任務は――圧倒的な実力で完了した。
しかし、俺の心には、次の予感があった。
――この魔物は、単独ではない。
背後に、もっと大きな存在が動いている。
世界は、まだまだ俺の出番を待っている。
そして、次の冒険は――さらに危険で、もっと面白くなるだろう。




