第5話 冒険者登録、そしてSランク
王都を出て数日。
俺とリリアは、街道沿いの小さな町にたどり着いた。
目的はただ一つ――冒険者登録だ。
「……レオン様、本当にSランクになれるの……?」
リリアが少し不安そうに尋ねる。
「鑑定EX、全属性魔法、無限魔力。
言ってみれば規格外。Sランクは当然だ」
俺は肩をすくめる。
この世界では、力が全て。
無能貴族扱いされていた過去など、もはや影も形もない。
冒険者ギルドの建物は、想像以上に賑やかだった。
ギルド職員や冒険者が行き交い、掲示板には依頼の情報がぎっしりと貼られている。
中には、危険ランクSSやSSSの依頼もあり、冒険者たちは緊張した面持ちで挑む。
「初めての登録ですか?」
窓口の女性職員が微笑む。
「はい、お願いします」
俺はリリアを連れて申請用紙を差し出す。
「では、能力査定を行いますね。少々お待ちください」
そう言われ、簡単な魔力検査――と思いきや、俺が指を鳴らすと、瞬時にステータスが解析される。
――職員の目が、一瞬で大きく見開かれた。
「……こ、これは……!」
「どうかしました?」
淡々と訊く俺に、彼女は声を震わせた。
「これは……通常のSランクの数倍です……!」
どうやら、俺の全属性魔法と鑑定EX、そして無限魔力のコンボは、ギルドの基準を完全に超えていたらしい。
周囲の冒険者たちも、ざわりと視線を向けている。
「……新人なのに、これは……」
誰もが呟く。
これが、いわゆる――規格外、というやつか。
登録が完了すると、職員が小さな封筒を渡してきた。
「Sランク冒険者認定です。これで正式に活動可能です」
俺は軽く受け取り、リリアに向き直る。
「さあ、準備はいいか?」
「はい!」
リリアは小さく頷き、胸を張る。
その瞬間だった。
ギルドの掲示板に、赤い光が走る。
「緊急依頼、危険ランクSSS――魔物討伐」
職員たちの表情が一変した。
「……SSS級!? この町で……?」
俺は掲示板の情報を確認する。
――未知の魔物が、町の近郊に出現。
被害拡大中。
リリアも、目を輝かせて訊いてくる。
「……すごいです、レオン様! あの魔物、私の力で何とか――」
「いや、今回は俺がちょっとだけ見せる」
俺は指を鳴らすと、半透明の魔法陣が浮かび上がる。
光が町の近郊まで伸び、SSS魔物の位置が瞬時に表示された。
職員たちは唖然とする。
「……この新人、ただのSランクじゃない……!」
俺は肩をすくめる。
「……まあな」
こうして、俺たちの冒険者活動は、華々しく――かつ危険な幕開けを迎えた。
王国の崩壊、追放、そしてSランク登録。
全ては、序章に過ぎない。
次に待つのは――
未確認のSSS級魔物、そして俺たちの新しい仲間との出会い。
世界は、まだまだ俺を楽しませてくれるらしい。




