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追放された無能貴族、実は全属性魔法と鑑定EX持ちでした 〜婚約破棄された翌日、王国が崩壊しましたが俺は関係ありません〜(連載版)  作者: 白昼夢


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第19話 封印の手がかり

第19話 封印の手がかり



 浮遊都市《アルヴァレス自治領》。


 朝の光が塔を照らし、昨夜の緊張を静かに洗い流す。


 宰相アーヴェル・グランディスは、書庫の前で深く息をつく。


「さて……魔術師の封印に関する手がかりは、この古文書にあるはずだ」


 レオンが肩越しに覗き込む。


「古い書物って言っても、王国の記録はほとんど王女派による改ざん済みだろ?」


 アーヴェルは静かに頷く。


「そうだ。しかし、王女派が見落とした記録も必ずある。

 魔術師が自ら封印を施す際のメモや補助魔法、結界構造……そういう断片的な手がかりだ」


 リリアは魔力を解き放ち、古文書の魔力符号を読み取る。


「……これよ。封印の一部、彼女自身の意思で安全に解除できるように組まれている」


 カイルも分析を加える。


「なるほど、王女派は解除を試みたが、彼女自身が自衛結界を組み込んでいた。

 だから失敗したわけだ」


 アーヴェルは古文書をめくり、慎重に読み進める。




 数時間後。


 書庫の静寂を破るのは、ページをめくる音だけだった。


「……なるほど。ここに、重要な記述がある」


 アーヴェルは指で文字をなぞる。


『魔術師は封印時、己が可愛がる獣魔を保護対象とし、結界と連動させた』


 レオンが目を見開く。


「獣魔……つまり、彼女の力を封印解除の鍵として利用しているのか」


 リリアが頷く。


「そうね。獣魔の状態や位置が分かれば、封印解除の道筋が見えるかもしれない」


 アーヴェルは深く考える。


「しかし……獣魔はどこにいる?

 封印された魔術師と距離がある場合、解除は不可能に近い」


 カイルが手元の資料を探る。


「文献によると、王城のどこかに捕らえられているらしい。

 当時の王家が魔術師を傀儡にしようとした際、獣魔を人質として利用した可能性があります」


 アーヴェルは膝をつき、静かに呟く。


「……やはり王家の手の内か」


 レオンは少し笑みを浮かべる。


「やれやれ、やっぱり裏が深いな。でもこれで突破口が見えた」


 リリアが魔力を集中させ、結界の微細な揺らぎを分析する。


「獣魔が解放されれば、魔術師も安全に目覚められる可能性があるわ」


 アーヴェルは杖を握り直す。


「よし……まずは獣魔の位置を突き止める。

 文献、記録、現場調査。可能な限りの手を尽くす」




 書庫を出ると、塔の外では朝日が雲間から差し込む。


 光の中で、浮遊都市は静かに揺れた。


 アーヴェルは街を見下ろし、仲間たちに告げる。


「次は、王城だ。魔術師の封印を解く鍵――獣魔を探す」


 レオンは笑いながら答える。


「王女派も、まさか我々が動くとは思っていないだろうな」


 リリアは微かに笑む。


「慎重にね。でも、希望が見えてきた」


 カイルも頷く。


「文献だけじゃなく、現場の情報も集めましょう。罠の可能性が高いですから」


 浮遊都市の仲間たちは、新たな作戦に胸を高鳴らせながら塔を後にする。


 伝説の魔術師の封印、そして獣魔――。


 次なる戦いへの布石が、今、静かに整えられた。



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