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追放された無能貴族、実は全属性魔法と鑑定EX持ちでした 〜婚約破棄された翌日、王国が崩壊しましたが俺は関係ありません〜(連載版)  作者: 白昼夢


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第三章 伝説の魔術師編 第18話 封印の魔女

第三章 伝説の魔術師編


第18話 封印の魔女



 浮遊都市の夜空に星の光が瞬く。


 宰相アーヴェル・グランディスは、塔の最上階から都市を見下ろし、深く息をつく。


 次の任務――封印された魔術師の救出。


 彼女は誰も直接会ったことのない伝説の存在。

 王国の記録では、百年以上前に封印され、その力の強大さゆえ誰も近づけなかったという。


 さらに、王女セシリア派が過去に傀儡化を狙い封印を解こうとしたこともあった。

 しかし魔術師は封印される際、自ら二重に結界をかけ、誰にも自由に扱われぬよう仕組んでいた。




 遺跡内部。


 古代魔法の残滓が壁や床に浮かび、光と影が交錯する。

 中心に立つ魔法陣は、封印の光を絶えず反射させ、近づく者を威圧する。


 アーヴェルは解析EXを展開し、結界の構造を解析する。


【封印属性:古代魔法+魔術師自衛結界】

【耐久力:極大】

【解除難易度:SSS級】

【過去の試み:王女派による解除失敗】


 レオンは腕を組み、微かに笑う。


「なるほど、これが伝説か。確かに簡単には動けそうにないな」


 リリアが唇を噛む。


「無理に力ずくで解除すると、魔術師も危険よ。慎重に……」


 カイルが後方で魔法索敵を行い、罠や追加結界の可能性を警戒する。




 最深部。


 魔法陣の中心で、魔術師は少女の姿で静かに眠っている。

 銀色の瞳を持つその姿は、百歳を超えるとは思えぬ可憐さだ。

 だが瞳の奥に宿る意思の強さは、誰もが畏怖するほどだった。


 アーヴェルは膝をつき、杖を握りながら考える。


「二重結界……王女派も解除できなかった。

 無理に動かせば消滅する可能性が高い……突破口は……どこだ」


 解析を進めるも、結界は微細な魔力の流れまで管理され、解除手順はまったく見えない。


 レオンも解析EXを展開する。


「魔術師自身の意思と力が絡む結界か……なるほど、簡単にはいかないわけだ」


 リリアは魔力を調整し、結界の微細な揺らぎを探る。


「何か……ヒントが……」


 魔術師が微かに目を開ける。

 光を浴び、銀色の瞳が宰相を捉える。

 警戒と疑念が混ざった視線だ。


「……あなたは、誰……?」


 アーヴェルは静かに膝をついたまま答える。


「私は、かつて王国に仕えた者。

 今は君を救うために来た」


 魔術師は結界に魔力を送り込み、防御を固める。

 レオンが魔力共鳴を試みるも、二重結界の前に全ては跳ね返される。


 アーヴェルは深く息をつき、仲間たちに視線を向ける。


「突破口は、魔術師自身の意思か……

 もしくは過去の文献にヒントがあるかもしれない」


 リリアが小さく頷く。


「そうね。魔術師の力の一端や結界構造を記した古文書があれば……」


 カイルも考える。


「王女派の記録も、どこかに残っているかもしれませんね」


 誰も直接会ったことがない魔術師。

 しかし、彼女の意思は封印の中で確かに息づいている。


 アーヴェルは杖を握り直し、決意を固める。


「……よし、まずは文献を調べ、手がかりを探す。

 突破口が見つかれば、必ず君を解放できる」


 魔術師の銀色の瞳が一瞬、微かに光を揺らす。

 反応は封印の中に封じられているが、意思は伝わった――。


 浮遊都市の塔の夜空に、静かな光が揺れる。

 希望と苦戦の狭間で、未来の作戦が動き始めるのだった。



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