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9話 勉強

もうすぐ高校生になって初めてのテストが始まろうとしている時期の放課後、俺は彼女の家の前に立っていた。



1度深呼吸してから家のチャイムを押す。押して数秒後に家のドアが開いた。

「いらっしゃい」と香織が迎え入れてくれた。

案内され、部屋に連れられる。

部屋の真ん中には小さな机が置いてあり、おそらくここでするのだろう。

実際机の上にはすでに香織のものであろうワークが置いてあった。


「準備ができたら始めましょう」

と言い、香織は始めた。俺も急いでワークを取り出し、準備をする。

とりあえず、化学の課題をすることにした。


ワークを開き、ペンを持つ。正面を向くと、他人が同じように課題をしている。

ワークの問題を解くと、ペンの音が鳴る。もちろん、2人分の音が聞こえる。それ以外は何も音が鳴っていない。


初めての感覚だった。いつも学校で自習するときは、少なからずほかの音がなっていたが、複数人いる中でペンの音しかなっていない空間にいるのは初めてだった。


そんなことを感じながら腕を動かす。この問題集は左ページが類題の解説になっているので、問題が解きやすい。なので、化学が苦手な俺でも比較的すらすら解くことが出来る。

一様、それでも分からなかった時用にノートを近くに置いてあるのだが、使う機会はなさそうだ。


ただ、問題を解く。それ以外の事は考えないようにして解くと、みるみるワークが進んだ。

1段落終わり、伸びをする。香織は、歴史のワークを黙々と解いていた。よく見ると、学校で配られた物ではなかった。おそらく、自分で買ったのだろう。それを解いては丸つけし、解いては丸つけをする。

それを繰り返していた。


一休みし、問題にもう一度取り組む。部屋には相変わらずペンの走る音しか鳴っていない。

部屋に2人いるとは思えないほどに静かな空間だった。



その後1時間ぐらい経った後だろうか。正面から聞こえるペンの音が止まった。

「少し休憩しましょうか」

と言い香織は立ち上がりドアを開け部屋の外に出て行った。


俺も1度寝転がって大きく伸びをする。頭の部分にはカーペットが引いておりふかふかだった。


その後、香織がお盆にコップを2つ乗せて戻ってきた。

「おまたせー。え、何してるの?」

と寝転がっていた俺を見て言った。

「すまん。伸びしてたんだ」「…。まあいいけど」

と許してくれたようだった。


机に戻ると、「はい、ファンタ」とコップを渡してくれた。

「ありがとう」と言い、飲む。

口に流れたファンタの炭酸がシュワッとなるのが心地良い。

さっきまで何も飲んでいなかった喉に数時間ぶりの液体が流れ込み、一気に喉の渇きが潤う。

コップを傾ける手は中身が無くなるまでそのままだった。



ファンタを飲み終わり、勉強を再開する。

一度休憩したおかげで集中力が勉強を始めた時と同じぐらいにまで戻っていた。

もう1度化学の問題を解き始める。



問題を解いていると、発展問題のようなページになった。

やはり発展と言うだけあってさっきまでの難易度から1段階レベルアップしたような難易度だった。

分からなくてペンを持つ手が止まる。解説が乗っているページを見てみるも、やはり分からなく解説を見ることにした。


答えを開き、このページの答えが乗っている場所を探す。

見つけ、読んでみるもやはり分からなかったので明日先生にでも聞こうなんて思っていると、

「分からないなら教えよっか?」と香織が言ってくれた。


「ならお願いします」とお願いする。

教えやすいようにか、香織は俺の方に回り込んできてくれた。

問題を確認し、少し考えた後、

「まず、ここをこのやり方を使って」「わかった」


と香織はとても丁寧に教えてくれた。丁寧な上に、答えに書いてある解説よりも分かりやすかった。

塾の先生に教えてもらっているように感じる。


「分かった?」と教え終わった後に香織が確認する。「もちろん。ありがとう」

と返すと香織は少し照れくさそうな表情になっていた。



その後も問題を解いたり教えてもらったりして、終わりを迎えた。


「今日は教えてくれたりしてありがとう」と礼を言う。

香織は、「全然大丈夫よ。私も一緒に勉強できて良かったし」と言った。

「じゃあな」「また明日ね」

と別れ家に帰る。


家に帰り自室に戻る。夕飯までの間に今日教えてもらったことを復習しよう、なんて思いながら椅子に座ると、

『また分からない所があったら言ってね』

とメッセージが送られてきた。

「優しいな」と呟きながら「ありがとう」と返信した。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

最近投稿できておらず申し訳ございませんでした。

できるだけ更新していきますので引き続き応援よろしくお願いします!


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