6話の3 巣喰い
※残酷描写あり。
山下 智之はカラオケ店『カラオケBUNBUN 四谷店』の従業員である。
休日である今日も、山下は受付としてカウンターに立っていた。
ルルルルッ。ルルルルッ。
客の呼び出し音。
山下は電話を取った。
「はい。こちらフロントです。山下が承ります」
『や、山下……!』
「あれ、長谷川くん?」
山下は目を見張り、次に目を弓なりにしならせた。獣欲で染まったにやけ顔である。
「なに、俺も混ぜてくれんの?」
山下も高遠と長谷川の仲間だった。
高遠の彼女である仁菜が獲物をこのカラオケ店に連れてくる。防音性能の高い部屋の中ではいくら女が叫ぼうが助けを呼ぼうが誰にも届かない。そして、もし聞いている人がいても、「カラオケ盛り上がってんだなぁ」程度でスルーするだろう。
山下は所謂ヤり部屋を提供しているのだ。その功績から高遠達からおこぼれを時々頂いていた。
『あっ……ああ! そうなんだ!』
「へへ、顔の形変わってないよな? 高遠くん、コーフンすると顔ぐっちゃぐちゃにするじゃん?」
『そう、そうなんだよな……俺も困ってる……へ、へへ……へへへ……』
「? どうした長谷川くん。いつもとなんか違くね?」
引き攣ったような笑い声。空元気というか、無理に普段通りを装っているような声色だった。
指摘された長谷川は途端に声を張り上げた。
『いやっ! なんっ、なんでもない! こっちはいつも通りコーフンしっぱなしだって! こっ、今回の女も上玉でさぁ!? それで声がおかしーっていうか!?』
「そうか……? んじゃあいつもみたいにちょっと部屋にお邪魔するわ」
『あ、あ、ちょ、っと待て。今日はポテトといちごパフェも持ってきてくれ』
「パフェ~?」
山下は眉を寄せた。
「なんでパフェ? ポテトだっていつも食わねぇだろ」
『いいから作って持ってきてくれ! いいな!? 頼んだぞ!!』
一方的に電話が切られる。
山下は「……腹下したんかな」と不思議そうに首を傾けて、厨房に向かった。
厨房担当のスタッフにオーダーと自身が持っていくこと、そして、オーダーを持っていったらそのままトイレで用を足しに数分抜けることを伝える。
スタッフの女性は何も疑わず、「はーい」と元気に返事をした。
15分後、山下は盆に大盛りポテトといちごパフェを乗せて、ヤり部屋に向かっていた。
ヤり部屋はカラオケ店の1番奥まったところにあり、また他の部屋と違い隣の部屋がないため、他者に気づかれにくいのが特徴だ。
山下はニヤニヤと笑いながらズボンのポケットをまさぐる。指先で感じる僅かな凹凸。そこにはコンドームが2枚ほど入っていた。
別に、どうせ最後には始末するから要らないと言えば要らないのだが、どうしても他の男が使った後に自分が使うわけで。エチケットというよりは余計な病気を貰いたくないのと他の男の体液に触れたくなかったから、山下は用いていた。
到着したヤり部屋。
山下は店員らしく3度扉をノックしてから取っ手に手を掛けた。
「失礼しまー……」
「いやあああああああッッ!」
「うおっ!?」
少し扉が開いた瞬間、扉がガチャンッッ! と激しく開かれた。そこから飛び出てきたのは女。
……まさか脱走!? 高遠くん、しくじったのか!?
山下はギョッとして後を追おうとしたが、ふと足を止める。飛び出ていった女の後ろ姿に既視感があったのだ。
「……あれ、仁菜ちゃんか?」
高遠の彼女である。
彼女は小心者で押しに弱い。これまで友人を高遠に差し出したことがストレスでちょっと不安定になったのかもしれない。
何せ仁菜はNOと言えない日本人を地で行くタイプである。山下も高遠から借りたことがあったが、その時も口先だけの抵抗しかされなかった。仮にも彼氏じゃない男にのしかかられているのに。
そのため、自信をもって言えた。
どうせ逃げても高遠が呼べば戻ってくる。
山下はそう楽観視して、ヤり部屋に入った。
そして、後悔した。
「……は?」
地獄だった。
部屋の中には高遠と長谷川がいた。いたが、2人共顔が膨れ上がっており、血塗れだった。
床に直に正座をして、大きな体を縮こまらせていた。
「ああ、いらっしゃい」
彼らの前にはソファーに座る2人の女がいた。
1人はプリン頭の女だった。
元は可愛いであろう顔には青痣があった。おそらく殴打の跡だろう。彼女は意識を失っており、隣に座る女の肩に頭を預けていた。
もう1人は足を組んだ女。こっちが山下を歓迎する声を出した。そして、つい先程、来店してきた女だった。
来店した時は日本人形のようだなと思っていた。悪い意味ではなく、純粋に、日本人らしい可愛さだな、と。
しかし、今この場で見るとその印象が大きく変わる。彼女に対する“日本人形のようだ”という評価は変わらない。しかし、先程まで思っていたような、“ただの可愛らしい人形”ではない。
髪の伸びると噂されるような、いくら捨てても手元に戻ってくるような……そういう不気味さを持つ、“呪いの日本人形”。
何故、そんな印象を受けたのか。
「あなたがヤマシタ トモユキさんですか?」
それは、女の青い目が暗く淀んでいたからだ。
その癖に、輝いていた。どこまでも無機質で青いガラス玉。それが蝋燭の火に照らされているように、煌々と。
闇の中で爛々と目を輝かせる、そういう生き物の眼をしていた。
早く逃げなければ。この部屋から離れなければ。それだけが頭の中を占める。
山下は手に持っていたお盆を投げ捨てた。後ろから「私のパフェが!」という声が聞こえたが知ったことか。
山下は部屋からの脱出を試みる。
結果、駄目だった。
いくら取っ手をガチャガチャしても、押しても引いても動かない。
「フザッけんなよ!! さっきは開いただろうが!! なんで開かねぇんだよ!?」
「私が閉めてるからですよ」
「ああ!?」
山下が振り返る。
そこにはいちごパフェに舌鼓を打つ女がいた。傍のテーブルには揚げたてのフライドポテトがある。
宙にぶちまけたはずのそれらを食べながら、女は山下に向かって手招きする。
「とりあえずこちらへどうぞ」
「うおおおっ!?」
首根っこを掴まれた感覚と共に体が後ろに引っ張られた。後ろに倒れて床に背中を擦り付けるように引き摺られる。そして、並んで正座している2人の横で引っ張る力は消えた。
並んだ3人の配置は、奥から長谷川、高遠、山下の順である。
「なんっ、なんなんだお前はぁっ!?」
山下は声を張り上げる。虚勢だった。
山下の顔は真っ青だった。得たいの知れない恐怖が彼女にあった。
今の首根っこを掴まれて引き摺られたのだって、誰にされたのか分からなかった。彼女も、長谷川も、高遠も、誰も一歩も動いていなかった。では、一体誰が自分を引き摺ったのか……。
恐怖で「カチ、カチ、カッ」と上下の歯が小刻みに揺れて音を鳴らすのが聞こえた。
それを気にも止めず、女は山下に質問した。
「陰茎と睾丸、どちらが大事ですか? 要らない方を引っこ抜くなり潰すなりしますので、選んで下さい」
「はあ!?」
「性犯罪者の有罪に対する罰みたいなものです。お薦めは睾丸ですね。失くなっても精々不妊状態や勃起障害になるだけで、排泄などの日常生活には殆ど影響しませんから」
「なっ、何言ってんだテメェはあああっ!?」
「うーん……?」
女は首を少しだけ傾けた後、パフェを1口食べた。
甘酸っぱいいちごソースとバニラアイスクリームのハーモニーをしっかり楽しんだ後、口を開く。
「……言葉が難しくて理解ができませんか? 幼稚園児に話すように、もっと知能指数を下げて伝えた方がいいですか?」
「ああ……っ!? うがっ、あ"!?」
女の舐め腐った態度にムカついた山下は、女を睨み付ける。しかし、罵倒をしようと音を蓄えた喉に違和感を覚えたと思えば、メキリという音と共に喉を締め上げられた。
そして、ゆっくりと首を持ち上げられる。腰が浮き、膝立ちになり……最後に爪先が床から離れる。
山下は宙吊りになった。
「ぁが……が……っ」
必死に首を締める誰かの手を外そうと引っ掻く。彼の爪先には自身の首の皮や肉が詰まっていき、真っ赤に染まっていった。
今度も、誰も動いていなかった。
しかし確かに、山下の首は締め上げられている。指の跡がくっきりと憑くほどに。
「竿か玉、要らねぇ方を捥ぐから選べって言ってんだよ」
女が吐き捨てた途端、山下のズボンが下着ごと引き下げられた。股間にぶら下がってるモノが露になる。
……やはり、誰も動いていない。山下に触れてすらいない。
恐怖で縮こまったソレをなんの感情もない目で見た後、女は明後日の方向を視た。そして、「どうします?」と誰もいない部屋の隅に問いかける。
「私はこの人に恨みは無いので、去勢した後はこのまま解放するつもりですけど……え?」
女が何故か不意を突かれたような顔をした。パチパチと瞬きすると、山下を見る。
山下はだらりと舌を垂らしていた。首を掻いていた腕もだらんと揺れている。そして、時折まだ生きているとアピールするように、ピクピクと指先が痙攣していた。
女がその様子を眺めた後、指を鳴らす。すると、山下の首を絞めていた指がフッと消え失せる。
山下は床に倒れ込んだ。
固い床との衝突で意識を取り戻した彼は、「ひゅううううっ」と喉を鳴らして咳き込む。
酸欠で顔を真っ白にさせながら、必死に空気を吸い込み息をする。部屋の空気は血生臭かったが、部屋に慣れてしまった鼻ではそれに気づけなかった。
「げほっ……げぇっ……ぅ、ううぅ……た、高遠くぅん……この女、一体なんなんだよぉぉ……いつもみたいにボコボコにしてくれよぉぉ……助けてくれよぉぉ……」
死にかけたためか、山下が半泣きで高遠に縋る。正座している彼の太股に腕を乗せて、彼の顔を仰ぎ見る。
「なぁ、高遠くぅ……ん、ぇ?」
そこでようやく気づく。
高遠の顔も真っ白だった。腫れ上がっているのに、まるで死人のように血の気が通っていない。もしや、血の流しすぎで死んでいるんじゃないか。そう一瞬考えたが、「ひゅー……ひゅー……」というか細い呼吸は聞こえているので、生きてはいるようだ。目は虚ろで、正気を保っているようには見えないけれど。
山下は再度、歯を鳴らした。「ガチ、ガチ」と、さっきよりも強く、顎が上下に動いている。
「ぁ……ぁぅ……」
そして、少し膝を開くように正座をしている高遠も、ズボンを履いていなかった。山下の触れている太股から素肌の生暖かさを感じたから。
更には血と排泄物のきつい臭気が鼻を突く。
山下は目線を下げて、絶句した。
「え、去勢もしてくださる? ……。それは、私は助かりますけど。……本当にいいんですか? いくら恨みがあるからと言っても、無理はしなくていいと思いますよ。こういうことはできる人がやればいいと思っているので、わざわざあなた達が手を汚さずとも……うん?」
体格に見合った立派なモノがぶら下がっていたはずの股間には、何もなかった。そう、何も。どちらもなかった。
その代わりなのか、赤黒い液体が滴っている。女に正座している姿も相俟って、まるで怒られながら失禁しているようだった。その証拠に彼の股間から赤い水溜まりが広がっている。
「ひっ……ひぃ……!」
山下は奥にいる長谷川を見た。
酷い顔をしていた。滝のような冷や汗を流し、目をかっ開いている。
そして、彼も、下半身に何も履いていなかった。
「自分の手で? 引っこ抜きたい? ああ、そうですか。でしたら全然オッケーです。汚いものに触れさせるのもちょっとなぁ、と思ってたんですけど。……ああ、いえいえそんな、とんでもない。こちらこそお手数とご迷惑をおかけします。……あ、畑にある野菜とか引っこ抜いたことあります? なんというか、こう……『えいやっ』てすれば腸ごとイケるので、思いっきりやっちゃってください」
不動沈黙の高遠と違い、長谷川はガタガタと目に見えるほど震えながら何かをぶつぶつと呟いている。女の独り言以外音の無い室内のため、何を呟いているのか、山下の耳はしっかり届いていた。
「ごめんなさい」と「ゆるしてください」である。
それを一心不乱に唱え続けている長谷川に、山下は更に「ガチッ、ガチッ」と歯を鳴らす。
「ごめんなさいゆるしてくださいごめんなさいゆるしてくださいごめんなさいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいゆるしてくださいごめんなさいゆるしてくださいごめんなさいゆるしてくださいごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいごめんなさい」
限界のギリギリまできている姿だった。いっそ狂気すら感じる。
もうあと少し、ほんの少しだけ刺激すれば、きっと発狂するだろう。
10分前、電話越しに話した時は、まだ会話が成り立っていた。自身がここへ来るまでの10分の間に一体何があったのか……。
自分もこうなるのか。
それが恐ろしくて、怖くて、嫌な想像ばかりして、「ガッガッガッガッ」と山下の歯が鳴った。
「さて、それじゃあ、私もそろそろ帰ろうと思います。これも食べ終わりましたので。……それに、あまり、トーコさんをここに長居もさせたくありませんから。……はい。お気遣いありがとうございます」
その間に、女の方でも話が纏まったようだった。大きな独り言を呟きながら、軽く会釈している。
女は食べ終えた食器の前で手を合わせた。そして、「ごちそうさまでした」と律儀に食後の挨拶をする。
立ち上がった女は、隣で気を失うように眠っている、灯子と呼んだ女を持ち上げて背に背負う。
おんぶの位置を調整しながら、山下を見下ろした。
「では、私は失礼します」
「……。は、え?」
山下は困惑した。
てっきりこれから顔が腫れるまでしこたま殴られて。そして、彼女の言葉を借りるなら、去勢されるのかと思っていたのに。
女は山下に軽く会釈すると、入り口に向かって歩き始める。
……何がどういうことかよく分からないが、とにかく助かった。少なくとも、この2人みたいになることはないだろう。
なんだ、怖がって損した。
山下はホッと安堵の息を吐いたその瞬間、「うぐ」と声を漏らした。
体が動かなくなったのだ。
右肩に誰かが顎を乗せて、背後から抱きついている。いや、動けないように拘束されている。
一体誰だ。女は入り口に向かっている。長谷川と高遠は精神が壊れて動かない。
他に、一体誰が――
ひゅー……ひゅー……。
ごほっ、ごぼっ……ごろごろ。
山下は「ひゅ」と息を呑み、体が硬直した。
隙間風のような呼吸音。
詰まった排水口のような咳。
それが右耳から聞こえてくる。
聞いたことがある音だった。額から汗がぷつぷつと噴き出て、だらだらと流れていく。
山下は錆び付いたブリキのオモチャのように、首を動かし右側を見た。
女がいた。
黒い髪の毛はボサボサで、艶がない。
そして何より、顔に酷く腫れ上がっている。目が血腫の瞼で埋もれ、唇はたらこのようで、頬は食べ物を頬張ったハムスターみたいだった。
「あ、ああぁあぁぁ……」
山下はついに歯を鳴らすだけでは足りなくなった。口から声を漏らし始める。
知っている女だった。
このヤり部屋で犯した女だった。
仁菜の通学する高校で、生徒会長をしていたらしい。メリハリのある体つきがとても好みで、酷く興奮したのをよく覚えている。
楽しんだ最後には、高遠が馬乗りになって、顔をタコ殴りにしていた。女が抵抗しても謝っても、徹底的に拳を振り下ろしていた。その結果、顔が元の2倍にも膨れ上がっていたので、つい吹き出してしまった。
吹き出した自分につられてゲラゲラと嗤い出した長谷川と一緒に、「きっしょくわりぃw」「美人もこうなったら終わりだなw」と、見下ろした女。
その女が、何故、今、どうして、ここに。
げほっ、ごぼっ……ごろごろ。
ひゅー……ひゅー……。
口内が切れて溢れる血が喉奥から気管へと落ちていき、その息苦しさで咳に水音が混じる。
その咳も次第に弱まり、最後には呼吸音がか細くなり、ゆっくりと息を止める。
かつて見た、彼女の最後の死に様を思い出した。
「はぁぁ……ひゅぅぅ……はぁぁ……ひゅぅぅ……」
山下は過呼吸のような息をしながら、ヤり部屋の出入り口へと向かう女に声をかけた。
「ま、まって……ください……ま、まってぇ……」
「はい?」
女が振り向く。
まるで道端の石ころを見るような目だったので、山下は泣いた。はじめて女が怖いと思った。でも、彼女に媚びて縋らなければいけなかった。だって、ここに置いていかれたら、死んでしまう。
山下は死にたくなかった。
顔は汗や涙でぐちゃぐちゃで、剥き出しの下半身は小便を垂れ流している。どこもかしこも体液まみれ。
なんともまあ、汚いものだ。
と、山下は自分でも思った。だが、これでいい。これだけ憐れで可哀想な姿を見せて泣いて縋れば、きっとこの女は助けてくれる。
彼女の善性が、人としての心が、倫理観が、きっと俺を救ってくれる。助けてくれる。
そうして、助けられたら、もう2度と、絶対に女に酷いことなんてしないし、女をバカにしないと誓いを立てた。絶対に女に優しくするし、困っていたら助けてやる。誓える。
山下は、助けられたその後の生活という、希望という名の妄想をして、現実逃避を始めるくらい、追い詰められていた。
「た、たすけて……おねがい、します……ぐすっ、ずびっ……たすけて、くださぁい……」
しかし、現実は絶望でしかない。
山下の誤算は、女がひとでなしのクズであったこと。そして、女に欠片だけ残る善性が、誰にでも分け与えられるものではなかったこと。
女が無償で助けたいと思える存在――それは、第1に家族、第2に友人、第3に巻き込まれただけで何も知らない不幸な他人である。
山下は、そのどれにも当てはまっていない。
山下は女の家族ではない。そして、友人でもないし、巻き込まれた訳でもない。
山下は女性達を強姦した。死にかけていても助けず、その死に様を肴にして嗤っていた。
山下を拘束しているのは、彼に犯され悪意を持って見殺しにされた被害者達である。
だから、助けない。
助ける義理もない。
助けたいとも思わない。
「許しを乞う相手が違いますよ」
女がピシャリと言い放てば、山下は「ぇ、あ?」と1粒涙をこぼした。
女は気にせず部屋の扉を開ける。
「じゃあ、終わった頃にまた来ますので。それまでごゆっくり~。Have a great time.(楽しい時間を過ごしてね)」
「ま、まってぇ? ま、まっ……たすけっ。たすけてったすけてたすけてくださいおねがいしますおねがいしばずがらぁぁあああああああっ!! いっしょにっ! おれもいっしょにつれてってええっ! いやだっ! いやだいやだいやだああああああっ!! おがあ"ざんたずげでっ!! つぎからちゃんといいこにするからねぇおがあざんっおかあザッッッギャアアアアアアアアアアアアア!!!!」
パタン。
部屋の扉が閉まる。
次の投稿は8月13日、水曜日、0:00です。
よろしくお願いします。