第九十話 命を懸けた抗戦
アルデンの影に侵食され、意識を失いかけるアレン。
ヴァルガス、ゼノン、フェンは命を懸け、彼を救うために立ち向かうが——。
アレンの体が闇に沈み込んでいく。
アルデンの影が絡みつき、その存在を飲み込もうとしていた。
「アレン!!」
ヴァルガスの叫びが響く。
ゼノンが剣を構え、霧へと飛び込む。
「まだ終わっていない……!!」
鋭い斬撃がアルデンの影を切り裂く。
だが、手応えはない。
刃はただ霧を裂くだけで、霧はすぐに再生する。
「クソッ……!!」
ゼノンが歯を食いしばる。
「だったら、こっちもやるしかねぇな……!!」
ヴァルガスが地を蹴り、アルデンの影へと斬りかかる。
斧のように振るわれた剣が、影の表面を叩き潰す。
しかし——
「……無駄だ」
アルデンの声が響いた。
次の瞬間、黒い霧が爆発するように拡がった。
「ぐっ……!!」
ヴァルガスは吹き飛ばされ、地面を転がる。
ゼノンも衝撃を受け、後方へ弾き飛ばされた。
「グルルル……!!」
フェンがアルデンへと飛びかかる。
鋭い牙が霧を喰らおうとする。
だが、霧はフェンの体を絡め取るように蠢き、牙を届かせることすら許さない。
「……その無駄な足掻きが、どれほど虚しいことか」
アルデンの赤い目が冷たく光る。
次の瞬間、霧が槍のように形を変え、ヴァルガスたちへと襲いかかった。
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「くそっ……!!」
ヴァルガスは剣を振るい、霧の槍を叩き落とす。
しかし、次の瞬間には新たな槍が無数に生み出され、彼を襲った。
「ぐぁっ……!!」
霧の槍がヴァルガスの肩を貫く。
熱い痛みが走り、血が地面に滴った。
「ヴァルガス!!」
ゼノンが叫ぶも、彼もまた霧の鎖に捕らえられ、地面に叩きつけられる。
「クッ……!!」
鎧がひしゃげ、呼吸が苦しくなる。
フェンはなおもアルデンへと襲い掛かるが——
「動くな」
アルデンの影がフェンを捕らえ、宙へと持ち上げる。
「グルルル……ッ!!」
フェンは必死に身をよじるが、黒い霧の力は圧倒的だった。
「お前たちの抵抗は……何の意味もない」
アルデンの冷淡な声が響く。
ゼノンは痛みを堪えながら、膝に手を置き立ち上がる。
「……それでも……!!」
彼は血を吐きながら、再び剣を振るう。
「諦めるわけにはいかない……!!」
ヴァルガスも肩の傷を押さえながら立ち上がる。
「てめぇの好きにはさせねぇ……!!」
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ヴァルガスとゼノンは再びアルデンへと向かう。
傷ついた体を引きずりながらも、彼らの意思は揺るがない。
「グルルル……!!」
フェンが最後の力を振り絞り、霧の中を突き破るように動いた。
アルデンの影の隙を突き、アレンへと向かう。
「アレン……!!」
ゼノンが叫びながら駆け寄る。
アルデンの影が再びアレンを飲み込もうとしたその瞬間——
ヴァルガスが最後の力を振り絞り、霧を切り裂いた。
「おらぁぁぁ!!!」
影が一瞬だけ薄れ、その隙を突いてゼノンとフェンがアレンの体を掴む。
「今だ……!!」
ゼノンが叫ぶ。
ヴァルガスが霧の中からアレンを引き剥がす。
「おらっ!!」
その瞬間、アルデンの影が暴れ狂い、彼らを弾き飛ばした。
ヴァルガスたちは地面へと叩きつけられる。
痛みに意識が遠のきそうになるが——
アレンは、彼らの腕の中にいた。
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「……アレン……!」
ゼノンが必死に呼びかける。
だが、アレンの意識は朦朧としていた。
「……まだ……喰われてない……」
かすれた声が漏れる。
「よかった……」
ヴァルガスが息をつき、剣を杖代わりに立ち上がる。
「フェン……大丈夫か……?」
フェンは弱々しく鳴いたが、その目にはまだ光が宿っていた。
「……お前を助け出せたからな……」
ゼノンが血を拭い、微笑む。
「もう……やるしかない」
ヴァルガスが剣を握りしめた。
目の前には、なおも冷たく立つアルデンがいた。
「ここからが……本番だ」
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ヴァルガス、ゼノン、フェンは瀕死の状態になりながらも、アレンを救い出す。
しかし、アルデンの圧倒的な力の前に、戦況は依然として絶望的だった。




