表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/100

三十四話 獣を喰らう者

デュランス・ウルフとの死闘を制したアレン。しかし、彼のさらなる進化をヴァルガスは目の当たりにすることとなる——。

「ま、まさか……」


ヴァルガスは目の前の光景に、思わず息を呑んだ。


地面に横たわるのは、圧倒的な強さを誇っていたはずのデュランス・ウルフの死骸。


その傍らに立つアレンは、息を整えながらも、すでに次の行動へと移っていた。

彼は迷いなく、デュランス・ウルフの肉を掴み取ると、そのまま口へ運んだ。


「っ……!?」


ヴァルガスの顔が引きつる。


「お、おい……本気で食べるのか?」


アレンは淡々と咀嚼し、血の滴る肉を飲み込む。

口の端に滲む赤い筋が、彼の異様さをより際立たせた。


「……やっぱり」


アレンは静かに呟いた。


ヴァルガスが警戒しながら言葉を発する。


「やっぱり……何が?」


「身体の感覚が変わってきています。デュランス・ウルフを喰ったことで、どうやら跳躍力が上がったようです」


「跳躍力……?」


アレンは試すように軽く屈み込むと、次の瞬間、まるで重力を無視するように地面を蹴った。


「っ!? ……嘘だろ……」


ヴァルガスは、驚愕の表情でアレンを見上げることとなった。


アレンの体は、尋常ではない高さまで跳び上がり、軽々と近くの倒木の上に着地していた。


「……これは、すごいですね」


アレン自身も、自分の体の変化に驚いているようだった。


「信じられない……そんな馬鹿な……!」


ヴァルガスは動揺を隠せないまま、アレンの驚異的な身体能力を目の当たりにし、ただ愕然とするしかなかった。


「この能力があれば……次の戦いが、少し楽になりそうです」


アレンはそう言って、デュランス・ウルフの死骸を処理し始めた。

肉は食料に、毛皮は防寒具として使えそうだ。


ヴァルガスは呆然としながらも、アレンの背中を見つめていた。


「お前……本当に何者なんだ……」


アレンは少し微笑みながら、ヴァルガスを振り返った。


「ただの旅人ですよ。少し……この世界に適応しているだけの」


その瞳は、鋭く、そしてどこか楽しげでもあった。


次回へ続く。


---


デュランス・ウルフを喰らったことで、跳躍力を大幅に得たアレン!

ヴァルガスは、彼の異常な進化にただ驚愕するばかり……

次なる戦いに、この力はどう活かされるのか!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ