第三話:初めての狩り
水を確保した俺。
だが、生き延びるにはまだ足りない。
次は食料を確保しなければならない。
湧き水を見つけたことで、喉の渇きという問題はひとまず解決した。
だが、次は食料を確保しなければならない。
「水は手に入ったが、腹が減ったな……」
水を飲んでしばらくは空腹をごまかせていたが、すぐに腹の虫が鳴り出した。
人間は水だけでは生きられない。
食わなければ、いずれ力が出なくなり、動けなくなる。
「とにかく、何か食えるものを探そう」
森の中にはさまざまな植物が生い茂っているが、どれが食べられるのか分からない。
下手に手を出せば、毒のあるものを口にする可能性もある。
「……やっぱり、肉だな」
狩りをするしかない。
とはいえ、俺は武器を持っていない。
素手で獲物を捕まえるのは現実的ではないが、何か方法はないか……。
「まずは獲物を探すか」
静かに森を歩き、周囲を観察する。
しばらくすると、草むらの奥に小さな動物が見えた。
「……ウサギか?」
耳の長い小動物が草を食んでいる。
これはチャンスかもしれない。
だが、どうやって仕留める?
素手では無理だ。
投げられるような石でもあればいいが、俺にそんな技術はない。
罠を作るにしても、道具がない。
「……なら、飛びかかるしかないか」
成功する確率は低い。
だが、何もしなければ何も得られない。
俺は息を殺し、じりじりと草むらに近づいていった。
慎重に、慎重に。
あと少し……!
バッ!
俺は一気に飛びかかった――が、ウサギは驚いて一瞬で逃げ去った。
「くそっ、やっぱり無理か……」
思ったよりも素早い。
だが、今ので分かったことがある。
この森には狩れる動物がいるということ。
それなら、もっと確実に仕留める方法を考えればいい。
「やっぱり、道具を作るしかないな……」
次の狩りに備えて、俺は木の枝を拾い集めることにした。
狩りに失敗した俺。
だが、ここで諦めるわけにはいかない。
次回、道具を作り、再び狩りに挑む!