表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/100

第二十五話 リーダー獣人との激闘

獣人の巣で待ち構えていた最後の強敵。

アレンはその巨体を前に、槍を構える——


「——グゥォォォォ……」


巣の奥から姿を現したのは、

今までの獣人とは明らかに違う存在だった。


身長は二メートルを超え、

太い腕と分厚い胸板を持ち、

毛並みは黒光りしている。


その姿を見た瞬間、俺の口から自然と出た言葉——


「ボスゴリラ……」


正真正銘、この巣の王だ。


俺は静かに槍を構え、

ボスゴリラと対峙した。


「……やるしかない」


獣人の強さは、今まで食べたことで分かっている。

だが、こいつは規格外だ。


俺が獲物を狩るのではなく、

獲物として狩られる側になるかもしれない。


だが、それでもやるしかない。


ボスゴリラが地響きを立てながら突進してくる。


「クソッ……!」


咄嗟に横へと飛びのく。


だが、その瞬間——


「——ッ!」


横薙ぎの腕が襲いかかる。


回避する間もなく、俺の体に直撃。


「ガハッ……!」


体が宙を舞い、

そのまま地面に叩きつけられる。


呼吸が一瞬止まり、

視界がぐらついた。


「……やべぇな」


一撃が重すぎる。

まともに食らえば即死レベルだ。


だが、ここで退くわけにはいかない。


俺は膝をつきながら、

ゆっくりと立ち上がる。


「やれる……まだ、やれる」


ボスゴリラが次の攻撃を繰り出す前に、

俺は足元の土を蹴り、素早く接近する。


「……そこだ!」


懐に飛び込み、

血抜き槍を突き刺す。


「グゥォォォォッ!!」


ボスゴリラが苦痛に呻き、

腕を振り上げる。


俺はすぐに槍を放置し、

二本目を握る。


「……これでどうだ!」


さらに脇腹へと槍を突き刺し、

そのまま深く押し込む。


だが——


「グゥォォッ!」


ボスゴリラが咆哮しながら腕を振り回す。


「チッ……!」


とっさに距離を取るが、

それでも完全には避けきれなかった。


脇腹に衝撃が走り、

血が滲む。


「……くそ、タフすぎる」


血抜き槍を突き刺しても、

すぐに動きを止める気配がない。


だが、じわじわと確実に

血は抜け続けている。


俺は槍を構え直し、

次の一撃に備えた。


「もう少し……もう少しだ」


呼吸を整え、

最後の決め手を狙う。


そして——


ボスゴリラが膝をついた。


「……いける」


俺は最後の一本を手にし、

思い切り心臓へと突き刺した。


「グゥォォォォ……」


ボスゴリラの咆哮が響き渡る。


そして、次第にその声が弱まり、

ついには——


沈黙が訪れた。


俺はゆっくりと息を吐き出し、

崩れるように座り込む。


「……勝った、のか」


だが、安堵する暇はなかった。


俺の体は、傷だらけだった。

腕も、足も、内臓さえも、

激しい戦いのダメージを受けている。


このままでは、動くのもままならない。


そして、俺は目の前のボスゴリラを見た。


「……食えば、回復する」


そうだ。


今までも、倒した獣を喰らうことで、

回復し、強くなってきた。


なら、こいつも——


俺はボスゴリラの腕を掴み、

その皮膚へと歯を立てる。


「……いただきます」


俺の歯が、獣の肉に食い込んだ——


---

ボスゴリラとの死闘を制したアレン。

しかし、彼の戦いはここで終わらない。

次回、ボスゴリラの肉がアレンにもたらす影響とは……!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ