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第二十四話 獣人の巣、最後の戦い

拠点で新たな戦術を整えたアレンは、夜の森へと再び足を踏み入れる。

標的は、残り数匹となった獣人たち。

警戒が強まった巣を前に、アレンはどう動くのか——


夜の森は冷たい空気に満ちていた。


月明かりの下、俺はじっと巣を見つめる。

そこには、今までの戦いとは違う異様な緊張感が漂っていた。


「……やはり警戒しているな」


当然だ。

すでに何匹も消えている。

残された獣人たちは、巣の入り口付近に集まり、

周囲に目を光らせている。


数は少なくなったとはいえ、今までよりも手強いだろう。


「だが……これで決着をつける」


俺は静かに近づき、狙いを定める。


まず、一匹。

巣の入り口に立つ獣人の背後に忍び寄り、

喉元へ血抜き槍を深く突き立てる。


「グゥ……!」


もがくが、槍を引き抜かず、そのまま放置する。

動けば動くほど、血が勢いよく流れ出す。


二匹目がこちらに気づき、咆哮を上げた瞬間——


俺はすばやく踏み込み、

胸元にもう一本の槍を突き刺す。


「ギャァァ……!」


獣人の叫び声が響く。


三匹目が俺の存在を察知し、

獣のように飛びかかってきた。


俺は横へと身を翻し、

勢い余った獣人が前のめりに倒れた瞬間、

その背中に槍を深く突き刺す。


「……あと少し」


地面に転がった獣人の動きが鈍くなり、

血の海が広がる。


最後の二匹が巣の奥から姿を現す。


しかし、俺はすでに動いていた。


一匹の腹に槍を突き刺し、

そのまま押し倒すように突き進む。


倒れた獣人の目が血に染まるのを確認し、

ゆっくりと槍を引き抜いた。


「……終わった」


獣人の巣は沈黙した。


俺は周囲を見渡し、

槍を回収する。


だが、違和感があった。


「……おかしいな」


巣の奥からは、何も反応がない。


今までなら、戦闘の気配を察知した獣人が飛び出してきていた。

それが今回はない。


「まさか……」


俺は槍を握り直し、慎重に巣の奥へと向かう。


そして、その時だった——


「——グゥォォォォ……」


巣の奥から響く、異様な咆哮。


低く、太く、腹の底に響くような獣の声。


——来る。


「……やっと出てきたか」


これこそが、獣人の巣の主。


俺が狩るべき最後の一匹——リーダータイプの獣人。


俺は静かに息を吸い、

槍を構えた。


ここからが、本当の決戦だ。


---


獣人の巣に潜んでいた、最後の脅威。

次回、リーダータイプの獣人との決戦が始まる!

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