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第十八話 獣人の巣

俺はさらなる強さを求め、今の自分よりも強い獲物を探していた。

同じレベルの獣人を喰っても、身体強化はされないことがわかったからだ。

もっと強い生物を見つけなければならない。

そんなことを考えながら森を進んでいた俺は、偶然、とんでもないものを見つけてしまった。

森の奥へと足を進めながら、俺は獲物の気配を探っていた。

鼻を利かせ、微かな血の匂いや動物の臭いを嗅ぎ分ける。


「……今までとは違う臭いがするな」


これまで遭遇した獣人とは違う、強烈な臭気が漂っていた。

何かがいる。


慎重に気配を殺しながら、匂いのする方向へと向かう。

茂みを抜けると、視界が開けた。


「……なんだ、ここは?」


そこには、獣人たちの集落のようなものがあった。

木や獣の骨を組み合わせて作られた簡易な住処が並び、

その周りには数体の獣人がいた。


「……巣があったのか」


獣人が単独で生きているわけではないことは知っていたが、

まさか、こうして集団で生活しているとは思わなかった。


遠巻きに観察していると、一際大きな獣人の姿が目に入った。


挿絵(By みてみん)


「……あいつは」


他の獣人よりも一回り大きく、

身体の筋肉の付き方も明らかに違う。

毛並みも整っていて、眼光は鋭い。


リーダータイプの獣人——間違いない。


「……強そうだな」


俺の身体が、自然と緊張するのを感じた。

明らかに、これまで戦ってきた獣人とは格が違う。

もし、あいつを倒して喰えば——


「……確実に、俺は強くなれる」


しかし、問題は倒せるかどうかだ。


普通の獣人とは比べ物にならない強さを持っているはず。

無策で突っ込んでも、無駄死にするだけだ。


「……一旦、戻るか」


ここは一旦拠点に戻り、作戦を立てるべきだ。

無謀な戦いを挑んで、死んでしまっては意味がない。


俺は獣人たちに気づかれないように静かにその場を離れ、

来た道を引き返した。


拠点に戻ると、俺は焚き火を前に座り込み、

じっくりと作戦を練り始めた。


「まずは、リーダータイプの動きを把握する必要があるな」


戦闘になったとき、どんな動きをするのか。

周りの獣人たちはどのように行動するのか。


「単独で狩るのは難しいかもしれない…」


俺一人であの集落に突っ込むのは危険すぎる。

他の獣人が群れで襲ってきたら、さすがに対処できない。


「やるなら、夜だな」


獣人が眠っている時間を狙って、奇襲を仕掛ける。

一撃で仕留めるのは難しいかもしれないが、

先に大きなダメージを与えれば、勝機はある。


「……血抜き槍を改良するか」


今の槍でも十分な威力はあるが、

リーダークラス相手に通用するとは限らない。


牙や骨を使って、

より強力な槍を作る必要がありそうだ。


「準備を整えたら、狩る」


俺は槍を手に取り、

焚き火の炎を見つめながら決意を固めた。

アレンは獣人の巣を発見し、リーダータイプの存在を知る。

しかし、相手はこれまでの獣人とは比べ物にならない強さを持っている。

無策で挑むわけにはいかない。

次回、戦いに向けた準備が始まる——

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