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第十二話 初めての大型獲物

初めて狩った大型のモンスター。

猪のようなモンスターを仕留めることに成功した俺は、

次に、どうやってこれを活用するかを考えた。

食料、保存食、武器の素材……

これは単なる狩りではなく、

生きるための資源確保でもある。

「さて……処理するか」


目の前には、俺の槍で仕留めた猪型モンスター。

初めて倒した大型の獲物だ。

うさぎや鳥型モンスターとは違い、重量感があり、処理にも時間がかかるだろう。


だが、この森で生きるためには、モンスターを狩るだけでは意味がない。

肉を確保し、皮を剥ぎ、牙を活用する。

全てを無駄なく使うことで、俺の生存率は上がるはずだ。


「まずは、血抜きからだな」


倒したばかりの状態では、肉が血で満たされている。

適当な枝を使い、喉元に深く切れ目を入れる。

すると、残っていた血が流れ出し、地面を赤く染めた。


「……出血の速度が速いな」


槍の穴加工のおかげだろうか。

血の抜けが思ったよりもスムーズだった。

このまましばらく待てば、処理しやすくなるだろう。


俺はその間に、他の部分をどうするか考えた。


「皮……防具にできるか?」


猪の皮は分厚く、耐久性がありそうだ。

獣人と戦うことを考えるなら、防具があるに越したことはない。

しかし、どうやって加工するか。


「……干すか」


乾燥させれば、ある程度は固くなる。

問題は、それをどう形にするかだが……とりあえずは保存しておこう。


「牙は……」


牙も使い道がありそうだ。

長さがあるものは、ナイフ代わりになりそうだし、

槍の先端に取り付ければ、強度が上がるかもしれない。


「肉は……とにかく保存しないと」


この量を一度に食べるのは無理だ。

となると、保存方法を考えなければならない。

火を使って燻製にするか?

干し肉にするか?


「……塩があればな」


俺は今、この森にあるものだけで生きている。

塩のような保存に便利なものは手に入らない。

となれば、今できることは限られている。


「乾燥させてみるか」


肉を細く切り、風通しの良い場所に吊るして乾燥させる。

これが上手くいけば、長期保存が可能になるはずだ。

同時に、少しだけ火で炙って殺菌しておく。


「よし……こんなところか」


処理を終え、俺は焚き火のそばで肉を焼く。

薪の上でじっくり火を通し、表面がこんがりと色づくまで待つ。


「……いい匂いだな」


うさぎや鳥型モンスターの肉と比べると、明らかに脂が多い。

噛めばジワッと肉汁が溢れ、噛み応えも抜群だ。


「うまい……」


だが、それ以上に驚いたのは、体の変化だった。


挿絵(By みてみん)


「……また、力が湧いてくる」


モンスターの肉を食べることで、俺は確実に強くなっている。

これは、うさぎ、鳥型モンスターに続いて、三匹目。

そして、これまでの二匹とは明らかに違う。


筋力が増した感覚。

全身の動きが軽い。

まるで体の構造自体が強化されているようだ。


「やっぱり、食うことで強くなってるのか……?」


これは仮説に過ぎないが、確信に近い。

ただの肉では、ここまで劇的な変化は起こらないはず。


「倒して、喰う……それが、この世界で生きるためのルールか?」


だとすれば、強いモンスターを喰えば喰うほど、俺も強くなる。

次に狙うべきは……


「獣人か」


初日に遭遇し、逃げるしかなかった相手。

俺はあいつを倒すために、武器を作り、戦う準備をしてきた。


「今なら、いけるかもしれない」


猪型モンスターを倒せた。

槍の有効性も確認した。

身体能力も上がっている。


これなら、次は……


「獣人を狩る」


俺は焚き火を見つめながら、静かに決意した。

アレンはついに、大型モンスターを狩ることに成功した。

猪型モンスターの素材を活用し、

新たな武器の可能性を模索し始める。

そして、彼の次の目標は――

次回、ついに獣人との決戦へ。

お楽しみに。

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