第四話 仲直り?
「なんで急なの。わたしにひと言ぐらいあってもよかったんじゃないの?」
ハーティンはミアウの腕の中で呟く。ミアウはそれを聞き逃さなかった。
「わたし、今まで人間界にいたんだよ? 連絡出来ないでしょ」
ミアウはハーティンを離す。ハーティンは眉を上げながら睨んでくる。マーメイナとチーナティーは気まずいなか、ハーティンの仕事である宛名書きをしている。
「ちがう、ここからあっちに行くとき! 手紙ぐらい出してもよかったんじゃないの?」
ミアウは少し思い出す。
「あー、シックがタイプライター壊しちゃったんだ。だから……ごめん。本当にごめん。ごめんね。ハーティン」
ミアウは自分の頭からカチューシャを取り、ハーティンの頭に付ける。
「わたし、もう行くから。明日、学校のいつもの場所でそれ返して」
そう言うとミアウはバックを取り、足早に扉に向かう。ハーティンは勝手に付けられたカチューシャを触りながらポカンとしている。
「い、いつもの場所って、あの部屋? あんた、明日学校来るの?」
「ん? 行くけど……あ、これ以上遅れるとパパが怒るから」
ミアウはハーティンの館を出た。
次回 怒らないで






