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リッチガール ~fiction time~  作者: 華小雪
シーズン1 M
34/36

第三十三話 上流社会

『ついにイェーニット学園、新入生歓迎パーティーが始まったわね! パーティーを取り締まってるのは二年生のHハーティンよ。彼女、三時間も前から来て準備してたみたい。何も起こらないといいわね。

 そしてあのMミアウは今登校してきたわ。Mの妹になったSウィジはまだみたい。同じ家から来るのに違う馬車でくるの? それとも見えないだけで一緒にいる?

 今日は特ダネが取れそう! 何かあったらわたしにメールしてちょうだい!』



 上級生はウェイトレスが運ぶグラスを横取り、新入生に持っていく。

 制服でのパーティーは意外と少ないもので、戸惑いを見せるものもいる。

 中には注意を無視し、派手で露出の高いドレスのものもいる。


 ミアウ・ウァルティーニは制服を着崩し、パーティー会場に入る。


「ハーティンはすごいわね。こんな新入生歓迎会は初めて」


 ミアウと一緒に家を出たものの、ハイヒールの痛さに耐えられず裸足で会場に入る新入生、シュウウィジディー。


「ミアウ、早いよ」

「あら、ごめんなさい、あなたがいないなんて気づかなかったわ。それより、靴はどうしたの?」


 ミアウはウィジの足を見て怪訝な顔をする。


「あ、足が痛くて。ミアウの靴、借りるんじゃなかった……」


 半泣きで手に持つハイヒールをミアウに見せると彼女は椅子に案内してくれる。


「わたしも最初はそうだったわ。この靴ならどう?」


 ミアウはどこからか靴を取り出しウィジの前に置く。


「ありがとう、この靴、どうしたの? 持ってたんじゃないですよね」


 ウィジは靴を履く。ミアウは笑いながら上級生の足を指差す。彼女は裸足になっていた。必死に周囲を見渡して自分の靴を探している。


「ふふっ、ミアウって最低」笑いながらウィジは立って靴を見せる。「ちょうどいいです。ありがとう」


「よかったわ。パーティーに戻りましょう」




 新入生の一人、シュリーユはグラスを揺らしながらバーの机に伏せていた。


「どうした? 浮かない顔して」


 隣に男が座る。

 地毛は真っ黒のくせに親に似るため金髪に染めている位だけはある男、ウィルタルト王子だ。


「やめて、今は一人がいいの」


 シュリーユは相手が王子だと気付いたがタメ口で続ける。


「あのさ、昨日ミアウに告って振られてたじゃん? それ、どんな気持ちになった?」


 王子に対して無礼な質問だが、タルト王子は咎めることなく口を開く。


「そうだね……ミアウがいなくなる前から好きだったから帰ってきたミアウを見て耐えきれなくて告白したんだ。だから、振られてよかったと思ってるよ。

 勢いで告白したのを了承されていたらきっと僕は……」

「そっか」


 王子の話が終わる前にシュリーユは相槌を打つ。

 王子は席を立った。


「そんなんだから彼氏に振られるんだ」


 シュリーユは涙を堪え、バーを後にした。



 ジュースを取るミアウとウィジの元にパーティーの主催者であるハーティン・ムーンが来た。


「あら、M! 来てくれたのね! 隣の少女は新入生のシュウウィジディーね。Mと姉妹になって男関係で揉めたってガールディート・フィクションに晒されてたけど……仲直りしたのね」


 ハーティンはウィジからジュースを奪い、一気飲みする。


「そうなの。ウィジ、シックにセクハラされてて。わたしが彼女を助けたら話が盛り上がって……よね? ウィジ」

「はい、そうなんです」


 ミアウはウィジに自分のジュースをあげる。

 ハーティンはウィジの下から上まで見て眉を上げる。


「魅力的には見えないけど……セクハラはされるのね。節操のないシック様に襲われたのは幸いね。ミアウと同じだけだから」


 ハーティンの言葉にウィジは顔を赤くする。


「何ですって? 失礼ですけどわたしはあなたよりは魅力があります。そんな薄っぺらい体と比較しないでください」


 ウィジはミアウから渡されたグラスをハーティンに投げる。


「きゃあっ、何するのよ! このアバズレ女!」


 ハーティンは空のグラスをウィジに投げる。


「いやぁっ!」


 ウィジは床に倒れる。

 ミアウは二人を落ち着かせて周りの人にウェイトレスを呼ぶように言う。


「落ち着いて、二人とも。何を争うことがあるの? 二人ともいい体してるし、魅力的よ」


 やってきたウェイトレスは床のグラスの破片を片付ける。

 ウィジとハーティンは決まりが悪そうな顔をしてミアウを見る。


「ミアウ、ごめんなさい。ハーティンに強く当たり過ぎた」

「M、悪かったわ。わたしとしたことが。こんな小さい子にイラつくなんて」


 二人から謝られたミアウは苦笑する。


「謝るならお互いにして。わたしは関係ないわよ?」


 ミアウの言葉にウィジとハーティンは向き合う。


「ごめんなさい、ハーティン・ムーン。言い過ぎたかも」

「わたしも悪かったわね。新入生であるあなたを歓迎するつもりが……悪態ついてたわ。許してちょうだい」


 二人はハグをする。



『あれれ? わたしが思ってたような展開は来なかったね。でもこれからはもっと面白いことになりそう。

 またガールディート・フィクション、わたしの元に帰ってきて』

次回 くたばれ! イェーニット学園!

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