第二十七話 フランス流の結末 ~振られてなんぼ~
『ステージ裏から魔王の後に出て行ったウィルタルト王子を目撃。あの怪我は何? 魔王と何があったの? 王子に何かあったらわたし、アンノウンに連絡ちょうだい! ~フィクションタイム~』
「ミアウ!」
ウィルタルトは広場から出てきたミアウを呼び止める。
「後にして」ハーティンがタルトを睨みながら言った。「ミアウはこれからわたしと作戦会議よ」
「そこをなんとか! 少しだけ、ミアウを貸してくれ!」
タルトはハーティンの肩を掴んだ。ハーティンは顔を赤くして「少しならいいわ」と呟く。
「ほんとか! ありがとうハーティン」
タルトはハーティンに礼を言うとともにミアウの腕を掴んで走り出した。
「急に何よ! タルト!」
ミアウは急に走らせられ、転びそうになりながらも彼から離れられなかった。
「好きだ」
「えっ?」
広場から連れ出され、学校の庭園に着いた途端、彼は告白をした。
「君を入学式の前、一目見た時から好きだ。君は僕のために尽くしてくれた。入場で転びそうになった時、君は魔法で僕を浮かせてくれた。本当に助かった。あと、お父さんのスピーチがあるかどうかとか。教員用の紙まで見せてくれて。だから、僕と、付き合いませんか!」
「えっ。それは……告白ですか? シヤ王子」
シュウウィジディーは頬に薔薇を咲かせながらシヤ王子を見つめる。
「あぁ、僕と付き合ってほしい」
シヤ王子はまっすぐとシュウを見つめる。
二人は近づく。
「うっ」
シュウは顔を顰めた。
「臭い」
シヤ王子は「えっ?」と唇を震わせる。「シュウ令嬢、臭いっていうのは……」
「ごめんなさい」
シュウは王子の言葉を遮りながら走って広場に戻ってしまった。
「そんな」
一人残されたシヤは膝から崩れ落ちた。
「ミアウ、その……」
ミアウは広場から連れ出されてやっと手を離されたと思ったら急に告白された。
それも魔王の息子、ウィルタルト王子から。
「無理」
ミアウは決めていたようにきっぱりと断る。
「なんでだよ! ミアウ!」
「無理なの。わたしはあなたとは……痛いっ!」
タルト王子にまた手を掴まれた。
それも強く。
「痛いわ、離してちょうだい、タルト!」
「いやだ、返事を聞くまで……」
「もう言ったでしょ? あなたとは付き合えないわ!」
ミアウはタルト王子の手を無理やりはがし、広場の方に走る。
タルトはミアウを追いかけようとしない。
ミアウは一度も振り返ることなく広場に向かった。
「そんな」
タルトは振られたことにショックで膝から崩れ落ちた。
『まさか、学園の王子二人が振られるなんて。意外ね。でも、なんで振ったんだろ。振ったMとSにインタビューでもしようかな♡王子を振るってことは相当よ。二人はそれを分かってる? わたしからは何もしないけど、みんなからはどうかな? わたし、味方が多いんだ♡またなにかあったらアンノウン、わたしの元に帰って来て。~フィクションタイム~』
次回 プリンセス達の魔法のキス




