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リッチガール ~fiction time~  作者: 華小雪
シーズン1 M
25/36

第二十四話 父と子 ~対立しちゃうよね~ 前編

「シヤ王子、起きて下さい。もうすぐで魔王様のお話が始まります」

「んー……」


 シヤはうとうとしていたところをシュウウィジディーに邪魔され少しイラつく。でも父の話を聞きたいと言ったのは自分だし、まず魔王が来ることも知らされていなかったので彼女には感謝しなくてはならない。


「ありがとう。シュウ」


 笑顔でお礼を言う彼はまさに王子だった。

 シュウは照れながら目を逸らすとステージに理事長が立っていることに気が付いた。シヤも気づいたようだ。


「新入生の皆さんへこのお方から挨拶をもらっています。……魔界、第二十二代目魔王、ウィルディーエーレ様です。どうぞ」


 ウィルディーエーレ様。そう呼ばれたお方はステージ裏から出てきた。普通なら階段からステージへと上がるが、直前まで姿を見せないように裏から出てきたのだろうか。

 魔王、ウィルディーエーレは仮面をつけていた。顔全てを仮面で覆っている。髪の毛はシヤとタルトと同じ、金髪だ。所々茶髪なのは染め直しが出来ていないのか。


「五年前火傷をおおって仮面をつけてるって聞いたけど……」「本当だったんだな」「あのお方が魔王様……」「意外とスリムな方ですね」


 新入生たちの話し声が聞こえる中、魔王はマイクに魔力を込める。

 話し声はすぐに消えた。


「ようこそ、イェーニット学園高等部へ。少々事情があり、二度目の入学式となったが、こうして挨拶できることを嬉しく思っている。第五十二期生、六十人の新入生たち。其方らは未来の魔界を背負うことになる。そして、新入生の中には次期魔王候補たちがいる。ぜひこの学校で魔王となる器を育ててくれたまえ。期待してるぞ」


 魔王は話し終えたのかマイクを理事長に返してステージ裏に戻った。

 シュウは緊張が途切れて息を吐きながら肩を落とす。シヤ王子の様子を見ようと横を向いたとき、彼が目を見開いているのが分かった。

 どう考えても親を見た子供の反応じゃない。


「どうされたのですか? 体調が悪いのですか?」


 シュウが質問しても返事は帰ってこなかった。

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