第二十二話 ドロドロ家族関係
「おしゃべりはこれだから嫌いなんだよ」
シックはエリックにミニタイプライターを見せる。
「二人の叔父だとなにか困ることでもあるのか?」
冷たく返すウァルティーニにシックはため息を吐いて、隣にいるウィルジウスの太ももを触った。
「どうしました? シック」
「これ見て―、バレバレー」
シックはそう言いながらミニターを見せる。ウィルジウスは読み終わって首を傾げた。
「二人の叔父だと困ることがあるんですか? 説明すればいいのでは」
真顔でシックを論破するウィルジウス。
「二人共同じこと言うー、親子かよー」
シックは一人頭を抱えた。
「あ、もう投稿されてますよ、フィクションタイム。早いですね」
シュウはミニターを見ながらシヤとシュリーユに言う。
「え?」
シュリーユは通知が来ないのか自分のミニターを操作し始めた。
すぐ後、広場中のスマホの通知音が鳴った。音からして保護者の人達もアンノウンを見ているようだ。さすが魔界一のブローカー。
「きた!」
シュリーユは記事を読んでいる。シヤは首を傾げた。
「フィクションタイムってなに?」
「え」
「えぇ?」
シヤの言葉にシュウとシュリーユは疑問を漏らす。
「え? 二人共知ってるの?」
王子は純粋な瞳で問う。
「知らない人初めて見た」
シュリーユは質問に答えず、周囲をきょろきょろし始めた。
シヤはシュウに質問する。シュウはサイトを開いてアンノウンの一番最初の投稿記事を見せる。
アンノウン
みんな初めまして。わたしはアンノウン。魔界の有名人のゴシップを集めてるの。何か知ってる人はぜひわたしにメールして。今日は最初の投稿。すっごいゴシップがあるの。
♡まずはリンカーン王国のスキャンダル。傍系のリーン家。あそこにはハーティン・リーンがいるよね。でも親たちが離婚するらしいわ。ハーティンはどっちにつくのかな? 浮気したお父さん? それともただの貴族になっちゃうお母さん?
♡次はウァニュ家のゴシップ。当主のザック様が成人間際の子と結婚したみたい。三十になる子供のシック様は自分より若いお母さんが出来てどう思うかな? ま、何も思わなそうだね。これで結婚に十回目ぐらいだもん。あー、怖い怖い。
♡フィナーレは魔界の魔王様のゴシップ。今の奥さんは二人目だけど今のウィルタルト王子も二人目だったみたい。最初の人とは子供がいなかったはずだけどね。二十歳になりそうな長男ができるかも。王子二人はどう思うだろうね? 魔王様安心して。あなたが見るゴシップはこれが最初で最後。魔王様の次の話題は二年後ぐらいかな? Mが戻ってくる時ぐらい。
よんでくれてありがと。みんなまた戻って来てね。アンノウン、わたしの元に。~フィクションタイム~
「アンノウン、なんて最低なやつなんだ。ぼくが魔王局情報委員に言ってこのサイトをなくすよ!」
シヤ王子の決意にシュウはため息を吐く。
「頑張ってください王子様。でもみんなはこれが好きなんですよ。サイトの注目度毎回一位ですし……まあ、魔王様の記事だけやめてもらっては? それならアンノウンも応じるかもしれません」
シュウは誰かにメールを打っている王子を説得する。王子はシュウの話を聞き流す。
シュウは一人ため息を吐いた。
次回 学園の王子




