第二十一話 二度目の入学式もゴシップだらけ
その後難なく二度目の新入生への挨拶が終わり、シュウは安堵のため息を吐いた。
「保護者が入って来たらまた挨拶あるからね。油断しないようにね」
こんなオジサンでも注意はするのだなと思い、返事をしたら保護者が広場に少しずつやってきた。
場所が変わったこと、時間が遅れたことで少ないかと思われたが、いつもどうりの人の数だと教頭先生の呟きで分かった。
保護者の中にシュウの父がやってきたのか、シュウは軽く手を振った。相手も気づいたようで笑顔で手を振り返してくれるのがうれしい。
「シュウの親はだれ?」
隣の椅子にいる男子生徒はシュウに話しかける。
「ぼくの親はエリック・ウァルティーニです。それより、シヤ王子の御父上、魔王様は今日来られないのですか?」
「どう……だろ。タルト兄さんの時は来てなかったらしいから、来ないかな」
シュウは悲しんでいるように見える王子の肩を撫でる。
「大丈夫ですよ。ウァルティーニ父上がシヤ王子の分も祝います!」
「シュウは優しいね。でも父親ならウァルティーニって呼ぶのはどうなんだろう?」
シュウのアホ毛がピンとなった。シヤは「どうしたの?」問う。
「あ、いや、そのー、ですね?」
「ん?」
シュウはポケットから紙を取り出す。シヤは問う。
「入学式の順序です。ぼくが描きました!」
「……シュウくん。入学式の順序の紙はみんな配られてるよ」
「ちがいます! 先生たち用の、順序です! ほら、ここ!」
シュウが指差したところには卒業式の最後に『魔王様からのお祝いのお言葉』と書いてあった。シヤはその部分を見るなり、笑顔になった。
「シュウくん! ありがとう! お父様……来てくれるんだ」
シュウは話が終わったところで周りを見渡した。今は保護者入場中のため新入生は待たされている。
「ねっ、あれ、シック様じゃない?」
シヤが一人を指差す。シュウは気づいたが、その隣にいる人の方が気になった。シヤに質問してみたが、彼も知らないようだ。
「ね、ねっ、あれって噂の騎士様かなぁ。ほら、シックの隣にいる人」
シュウの前にいるブロンドの女子生徒がシュウたちに聞こえるような声で言った。シヤはなるほど、と頷いている。
「SPなら隣にいるのも納得だ。で、シック様をシックと呼び捨てできる君はだれ?」
「んー? わたしですか? わたしは、シュリーユでーす。シュリーユ・ウァニュ。シックはうちの叔父様でーす」
『あれれー? ミアウの叔父もシック・ウァニュ様。ミアウが敵視しているシュリーユの叔父様もシック・ウァニュ? ……ってことは叔父様が嘘を吐いてるかシュリーユが嘘を吐いているか? 私の大好きな展開♡みんなはこんな家族関係やだよね。わたしも』
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