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第十九話 シュウ
シュウウィジ・ディーは誰もいなくなった講堂に目を向ける。
「シュウさん、まだ広場に行っていなかったのかな?」
教頭がシュウに近づいてきてステージのマイクを切る。シュウはその行動に頭を下げる。
「マイク切るの忘れてました。ありがとうございます」
「いやいや、いいんだよ。君はほんとに優しいねぇ。ボーイフレンドとかいるんじゃないのぉ?」
教頭はシュウの足から頭まで見て、ねっとりとした声で言う。
シュウはそれに笑顔を絶やさず「教頭先生ったらー。いないですよー、過保護に育てられたもので」と教頭の肩を軽く叩く。
それに教頭は気持ち悪い笑みで笑う。シュウはその場を離れたくて言い訳を頭の中で考える。
「ではぼく、入学式の続き行きますね。広場ですよね」
「あぁ、そうだよ。私もここの片づけが終わったら教頭として行くよ。気を付けるんだよ。ほら、君、かわいいから」
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