第十四話 Hの思惑
~一時間前~
「はぁ? 入学式が三十分前倒し? うそ……。じゃあ、予定通り、チーナティーは照明室で合図待ってて。マーメイナはステージの影でオペラカーテンの調節を。わたしはミアウとステージ裏にいるから。ミニターを忘れないで」
ハーティンは子分二人に指示を出し、彼女たちがこっそり部屋を出ていくのを見送る。事前に計画を練ったものの、第一段階でつまずいている。あまり睡眠時間が取れていないせいか、あくびが何度も出る。
「おい、聞こえたぞ、入学式に乗り込む気だな?」
クラスメイトのピエールがハーティンの目の前に来た。考え事でクラスの人に注意が行き届いていなかった。とくに彼は優等生だ。先生に報告するタイプの。
「あら、やだ、わたしがそんなことするわけがないじゃない。二年は大広間だっけ? 早く行きなさいよ」
「ハーティンは行かないのか?」
ピエールは眉をひそめて怪しむ。
「わたしはミアウと行くの。だから先に行ってて。それともあんたも愛しのミアウを待っとく? 注目、集めるだろうけど」
その言葉にハッとしてピエールはすぐさま教室を出て行った。方向からして新二年生のいるべき場所。広場に。
「わたしも早く広場に行かないと。先生たちに怪しまれたら成績が下がっちゃう」
机から箱を出してハーティンは広場とは逆のステージへと向かった。
次回 最悪な登校日/Mは耐えられる?




