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リッチガール ~fiction time~  作者: 華小雪
シーズン1 M
14/36

第十三話 遅刻の常連さん

 ミアウは馬車の紙にイェーニット学園と書き、速度の欄に激早と書く。

 幸い、馬車の中にはミアウ以外誰もいない。昨日の護衛がいると思ったが、後ろから馬車が付いてきているのでそれに乗っているのだろう。


 ミアウはもう一度ハーティンに電話をかける。するとすぐ繋がった。


『あんた、今どこにいんの! これからアンノウンに攻撃するとこなんだけど、あんたの叔父様いる?』


 ミアウは訳のわからないことを言われて、聞き直す。


「どういこと? シックの事?」

『だーかーらー、あんたの叔父様に繋いで!』


 ハーティンは主張を変えない。どころか、ミアウが説明してと言っても叔父様を呼べとしか言わない。


「もう馬車の中なの。だから呼べないわ。あと、今日の予定……」

『うっそ! ミアウがもう馬車の中⁉︎ いっつも遅刻してばっかりなのに。ま、今日は入学式だから特別よね。じゃあ、学校に呼んでくれる?』

「無理に決まってるじゃない。次こそ退学よ。あと、今日の予定を断ってまで何する気よ」


 ミアウが不満たっぷりの声を押し出すとハーティンはハキハキと言う。


『さっき言ったでしょ? フィクションタイムの管理者に復讐するの。あんたも加わる?』


 ミアウは返答に困る。


「いやー、わたし、彼女に特に何もされてないし……」

『されたじゃない! 落第寸前お馬鹿さんって』


 ハーティンは面白がるように言う。その言葉にミアウは少しイラッとし、ため息を吐く。


「わたしもやる。場所は?」


 ハーティンは電話を聞いて笑みを深める。


「講堂のステージ裏よ。先生達にバレないように気をつけて」




「どういうことだ! なんで寝坊なんかするんだ!」

「うぅ、だって、イェーニット卒業してから十二時間睡眠を決めこんで……。誰も起こしてこれなかったし。ごめんなさいっ!」


 ウィルジウスは眉を下げて怒るシックに深く頭を下げる。しかしシックは無視して玄関へ向かう。


「馬車に乗るぞ。急げ」

「えっ、シックも行くのですか?」


 ウィルジウスが慌てて問いただすとそれ以上に慌てたものが来た。エリックだ。


「シックは入学式が始まる直前に私と行くはずだろう? なぜウィルジウスと行くのだ」

「ミアウが教室にいると思うか? いつもいく場所や学園寮についても話しておきたい。エリックはあとで来てくれ」


 シックはエリックを納得させ、ウィルジウスに向き直る。


「私の分の朝食も持ってきてくれないか? 私は着替えを持ってくるから。……寝巻きで護衛は無理だろう?」


 ウィルジウスは忘れていた。


「ひぃっ! 見ないでっ」


 自分が寝起きであることを。

次回 Hの思惑

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