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リッチガール ~fiction time~  作者: 華小雪
シーズン1 M
13/36

第十二話 リッチな女の子の入学準備♡

『おはようみんな。わたし、すっごく楽しみ。これから入学式だもん。新しい一年生ってどんなの? どこのグループに入るのかな? 新入生のみんな、ハーティン・ムーンだけは気をつけて。あと、ミアウ・ウァルティーニ先輩には従った方がいいよ。あの子の親は学園にすごい寄付してるから。じゃ、また学校で会おうね。~フィクションタイム~』



 シックはグラスにリンゴジュースを注ぐ。エリックの愚痴を聞きながら。


「私は善意で寄付しているのに、あんな書かれ方したらもう寄付したくなくなるよな? エンペラーマガジンに苦情を言うわけにもいかないし。あー、これだから王直属の雑誌はクソなんだ。シックなら王に言えるよな? あんたんとこの雑誌はもう作らないほうがいいって。言いに行ってくれよ。毎日暇だろ?」


 エリックは雑誌をシックに投げる。シックはワッフルを食べるのを中断し、もうすぐでシックのご飯を台無しにするところだった雑誌を読むことにした。


「ミアウの帰還……。あー、二年前の替え玉受験までバレてるよ。大変だ。あー、成績、授業態度が悪いのに毎年主席だったのがおかしくて、エリックの寄付を疑っているのか……。納得だね。私も前から気になっていたのだよ。彼女、試験前だけ部屋に籠るが、勉強じゃなかったのか。まあ、寄付が知られてよかったじゃないか……」


「よくない! ミアウがいじめにあったらどうする!」エリックが声を荒げ、椅子から立つ。


 シックからしたら、ミアウはいじめられてもなんとも思わないと思った。やはり父親は違うな、と口にするとエリックは困ったような嬉しそうな表情をした。


「あ、ミアウを起こしてきてくれないか?」


 父の顔の彼にシックは頷いた。


「分かったよ。でも起きるかな? これで二十回目だ」




 ミアウは起きてすぐ時計を見た。


「やだ、遅刻だわ」


 学校まであと三十分で着けば遅刻にならない。しかし、馬車の移動で二十分かかる。

 とりあえず顔を洗い、軽くメイクをしてクローゼットを開ける。


 端には懐かしい高等部の制服が掛かってある。ミアウはそのネクタイとベストだけを取る。

 着替え終わってすぐ、ノックされた。


「はーい」


 返事をしながらバックを取り、ザっと参考書と筆記用具を入れる。扉からはシックが出てきた。ミアウは挨拶することもなく、カチューシャを付け、ロングブーツを履き、ネックレスを付ける。


「起きてたのか。下でエリックが待っているよ。馬車の手配もしてあるけどどうする?」

「お願いするわ。あと、そこの魔法石でハーティンに電話をかけてくれない? 今日の予定を断らないと」


 ミアウはクローゼットを開いてコートを選ぶ。シックは快く返事をし、机の上の魔法石を取り、隣のタイプライターを見て魔法石を置く。


「ミアウ、誰かからかメールが来ているぞ。見るか?」


 シックは紙を抜き取り、クローゼットまで持って行く。ミアウは「見るわ」とコートを羽織り、紙を受けとる。


「ハーティンから?……うっそ。約束が断られたわ。シック、早くハーティンに繋いで」


 繋ぐのかよと心の中でツッコミを入れながら魔法石を取り、番号を入力する。それをミアウに渡す。


「ハーティンの番号、なんで知ってるのよ」


 ミアウに睨まれるがシックは笑顔を絶やさず「君がいない間、毎日電話が来てね。私が対応していたんだ」と魔法石を覗き込む。


 結局繋がらず、ミアウは電話を切り準備を終わらせて一階に降りることになった。



「お、ミアウ、一緒に朝ごはんを食べるか」


 ダイニングルームには雑誌を見ているエリックと、鏡を見ながらクロワッサンを食べているベルディーナウトがいる。シックは椅子に座り、途中だった朝食を再開した。


「パパ、わたしもう学校に行かないと。馬車ありがとう。じゃあ」


 ミアウがワッフルを一つ取り、出ていった。


「ウィルジウスは起きたのか? 護衛の意味がなくなる」


 エリックがシックに尋ねるとシックは目を泳がせながら答えた。


「……流石に起きているだろ」


 その瞬間、階段から足音が聞こえてきたのをシックは空耳であることを祈った。

次回 遅刻の常連さん

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