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20話 探しているのは①

「実は、とある魔法使いを探しているんだ」


 建物の陰の、人目につきにくい場所まで彼は私を連れ出して話し始めた。魔法関連の話をするならこういう所の方が話しやすいだろうが、見知らぬ男性にこんな所に連れてこられるのは怖い。せめて事務所まで来てほしい。あそこなら防犯魔法も掛けてあるし。


「あ、えっと……その魔法使いというのは、この街にいるんですか?」


 しかし困っているらしい魔法使い仲間を見捨てる訳にもいかず、渋々話を聞く。


「きっとそのはずだ。一緒にこの街に来たんだが、はぐれてしまってね。ここに来た時点で大分魔力を消耗していたから、そう遠くへは行けない」


 ふむふむ。話を聞く限り、これは魔法探偵としての出番だろう。


「そうですか。何か、その人の特徴とかありますか? 背の高さとか、服装とか。あと、その人の名前は何ですか?」


 上手い事いけばこのまま依頼として受け、報酬だって貰えるかも……と、若干の下心を芽生えさせつつ聞くと、彼の答えは私を驚かせた。


「名前はディサエル。背丈は君と同じくらいだ。いつも黒い服を着ていて、髪も肌も黒いから、全身真っ黒だ」


「あー……そうですか」


 ディサエルを探している。という事は、


(カルバスの手下、かな)


 ディサエルは双子の妹、スティルと共にこの世界にやってきた。だからディサエルの仲間である可能性は無いと断言していい。この人がスティルである可能性も無いだろう。外見の特徴も、そもそも性別も違う。だから……依頼人を守る為なら、嘘をついたっていいだろう。


「全身真っ黒なファッションの人もいますから……見つけるのは難しそうですね」


「でも肌は白くないんだ。少しでも黒ければそこで違いが分かるだろう」


 どこか嘲りを感じるような声で言ってきた。少しでも黒ければ、の部分を。


(嫌な感じだな)


 褐色肌だって綺麗だろうが。


 こっちの気も知らずに彼はまた私の肩を掴んで、強く揺さぶってきた。ちょっと痛い。力加減というものを知らないのか?


「とにかく、大切な仲間とはぐれてしまったからとても心配なんだ。もし見つけたら教えてほしい」


「あ、わ、分かりました。あの、連ら」


「ありがとう! 恩に着るよ!」


 私の話を最後まで聞かずに、男性は去っていった。


「連絡先……」


 どうやって教えてもらう気でいたんだ。こちらとしても、連絡先を教えてもらえればカルバスの拠点が分かったかもしれないのに。


(……)


 とりあえず、去りゆく彼の背中を写真に撮った。

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