7/9
四巻まで
出せるカードはほぼ出し尽くした。世の中には絶対に読んでおいたほうがいい小説(と、人に薦めたくなる小説)があるが、これがその一つだ。
中華版春樹だ。
こんなにフルパワーで書き込まれた話を読んだのは、春木の『街とその不確かな壁』を読んで以来のことだ。武侠小説という古典の枠組みの中、金庸先生はやれることをやり尽くしている。
しかもそれがあと一巻も残っている。一体この上何を書くのだろう? もう同じことはかけないはずだ。
追記:武侠小説というジャンルは欧米のファンタジーと対比させると面白いと思う。西にトールキンあり、東に金庸あり、と言われているぐらいだ。