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第四章から第六章まで
「小龍女」
女性が強い。主人公のキャラがいい。楊過(本作の主人公)は、頭が切れ、悪態をつきまくる、愛に飢えた狼のような少年。
それがひょんな成り行きから世間を知らない氷のような少女、小龍女と師弟の間柄になる。
長年付き添ったばあやが殺されて亡くなっても、人はいずれ死ぬものです、と氷のような態度を崩さない小龍女。彼女との約束だから、楊過を弟子に取るという。ただ自分のほうが年上ゆえ、自分が死ぬときはまずあなたを殺します、と、平然と言ってのける。
「もっとぶたれてもいいや」
「ろくでなし。ぶたれないと眠れないのね」
「そりゃ、殴るやつによるよ。可愛がってくれる人に叩かれるなら、ちっとも悔しくねえ。嬉しいくらいだ。殴るのは俺のためだもんな。俺を嫌ってるやつなら、たった一言罵られたって、いつかきっと落とし前をつけてやるんだ」
(第五章 活死人墓)
この真逆な二人を配して、氷のようだった龍が、熱い人間の血をだんだんと通わせていく描写がとてもいいと思う。
あと二章で一巻を読み終わるようです