凍りついた星
奈落という明確な終わりよりも
途轍もない重力の穴に似ているのかもしれない
さまざまな推測を裏切るようにして
じつは拍子抜けするほど単純な回路で
きっと私は処理されているのでしょう
新鮮な朝の空気や
いつもより強い風なんか関係なく
晩秋に舞う美しいトンボたちや
隙間から伝わる細かな雨音もたぶん
ささくれのようなものでしかなく
すべてが下らなくて小さすぎて
ただ吸い込まれては、その表面に漂っているだけなのでしょう
余計なものを引き寄せてしまわないように、もっと近くで覗き込みたいけれど
映るのはそこに留まっているだけの姿に過ぎなくて
あなたはもう私を処理してしまっているのでしょう
お読みいただきありがとうございます。