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14.お手伝い






「まずはナムルから作ろうかなぁ」


棚の中から育てているもやしを取り出し、にんじんを切っている間、子供達にはほうれん草を洗ってもらい、鍋に水を入れてもらう。


「火にかけるんだけど、ウチのコンロはIHだから、この部分がすごーく熱くなるだけで、火は出ないの」


安全性は高いが、火が見えるわけではないので、子供達は戸惑うかもしれない。


「「あいえいち?」」

「そう。ここに鍋を置いて、ここが電源ボタンね。それを押して、プラスとマイナスマークのボタンがあるでしょ。これが火加減を調節するボタンだからね」

「火加減? 火は本の絵で見たことがありますが、それとは違うのですね」

「やっぱり、本と実物、違う」


火すら見た事が無い二人は、戸惑ってはいるが、こんなものなんだと思うようにしたらしく、何度か試すうちに使い方を覚えてしまった。


子供達がコンロで色々やってる間に野菜を切り終わり、沸騰している鍋にまずはもやしを30秒ほど入れて取り出す。そしてにんじん、ほうれん草をそれぞれ茹で、取り出した。


水気を切って、それぞれを別々のボールに入れておく。


「それじゃあ、調味料っていう、味を付けるものをいれていくよ。二人はこの小さい方のスプーンを持って下さい」

「「はい!」」

「この液体はごま油という名前のものだよ。これをそのスプーン一杯に入れて、それぞれの野菜の中に入れてね」


そう言うと、二人はこぼす事もなく、難なくこなした。

その後、にんにくや塩、黒胡椒などを入れてもらい混ぜてもらうとナムルの出来上がりだ。


私はリッチモンドさんにとってきてもらっていた、牛肉のような魔物肉を切り、フライパンで焼いていた。それを子供達は興味深そうにじっと見ている。


「ここに、この“焼肉のタレ”を入れます!」


じゅわっという音と共に、入れた焼肉のタレが肉汁と混ざってはねる。

美味しそうな匂いが周囲に拡がった。


はぁ~、美味しそう! やっぱり焼肉のタレは最強の調味料だわ!


ぐぅ~……


そこへ、誰かのお腹の音が響く。


「ぁ、ごめんなさい!」


どうやらルイのお腹の音だったらしい。


「お腹空いたねぇ。お母さんもお腹空いちゃった!」


焼き上がった肉をお皿に取り、二人に「味見しちゃおうか」とフォークを渡せば、嬉しそうに食べて「「美味しい!!」」と笑ってくれた。


「後はフライパンでご飯を焼いて、焦げ目をつけて」


ぎゅっぎゅっとフライ返しでご飯をフライパンに押し付け、焦げ目をつけていく。


「二人とも、さっき作ったナムルを取ってくれるかな?」

「「はーい」」


火を止めて、そのフライパンを机の上に移動させると、子供達にはナムルを放射線上に乗せていってもらう。

二人は楽しそうに手伝いをしてくれるので、可愛いなぁと見ていると、ゴムで纏めた長い髪の毛が気になりだした。


綺麗な髪だけど、可愛い顔を隠してるし、お昼ご飯が終わったら切ってあげようかなぁ。


「出来ました!」

「とっても、いい匂い」


「ありがとう! ここにコチュジャンと、玉子の黄身を入れたら……はいっ 完成!!」





「はふっ はふっ こ、れは、甘辛い味噌と、香ばしい野菜と米が絡まって美味い!! お焦げがまた堪らんな!! 何より、この肉が美味すぎる!!」


小食堂の机の上にフライパンごと出し、そこで混ぜて器に入れそれぞれに渡せば、まずはリッチモンドさんがかきこむように食べ始めた。


食リポは完璧だ。焼肉のタレはお気に召したらしい。


おじいちゃんの胃には重いかと思っていたけど、何だか、リッチモンドさん若返っていってる気がするんだよなぁ……。


「お、美味しい……っ 」

「混ぜたら、こんな味になる、驚いた」


ルイとアーサーも気に入ってくれたみたいだ。

勿論、石焼ビビンバだけだと寂しいので、卵白を使った中華スープを作っているが、皆ビビンバに夢中なようだ。


気に入ってくれて嬉しいんだけどね。と苦笑いしていると、リッチモンドさんが「そういえば……」と言って麦茶を飲んだ。


「亜人族側の森の外が少し騒がしかったが、何かあったのかもしれんな」



え? 何それ!?




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[一言] 毎朝5時に更新されるこちらと継母は最近のイチオシで楽しみにしてます!
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